あなたの記憶が寝てる間に~鉄壁の貴公子は艶麗の女帝を甘やかしたい~
「まずは藍沢くんは落ち着く為にも今日は帰りなさい。当事者も含め話を聞いて報告するから」
会長に言われた事で次第に落ち着きを取り戻し急遽早退になった。
「有休めちゃくちゃ有るんだから1~2週間くらい休みなよ」
これは香澄から提案された事。
「あんたが居ないと出来ない社員やスタッフばかりじゃないでしょ」
仕事が気になる私に「たまには甘えて」と言ってくれたのは三館のチーフ達。
金子さんには仕事を少し引き継いで後は共有ファイルで私のパソコンに送って貰える事になってる。
「何やってんのよ…私」
化粧を落とした情けない顔を鏡で見てまた水をジャバジャバぶっかける。
悔しさと冷静に慣れなかった自分がじわじわと胸にくる。
これから繁忙期を迎えるのに一週間の休暇と言う名の謹慎。
「彼が居なくて良かった」
彼女を庇った思いに後悔はない!
胸を張っても良いと思う!
でも…
(大事(おおごと)にしたくないと言ってた彼女の思いとは真逆に事を大きくしたのは私じゃない…)
気分が滅入り出す。
旦那である彼に報告するべき…
でも今は頭が回らない。
「明日から何しよう」
彼の実家にでも行く?
プロポーズの相手が“千世さん”だったかも知れない状況で一ノ瀬家のご家族に合わせる顔がない。
それどころか安らぎに甘えるのもいい加減止めきゃ。
「今日はとにかく…」
忘れたい
昼間からのお酒に背徳感を感じて自分の部屋に運びこんだ。
小さいガラステーブルにお酒を並べ片っ端からプルタブを引き一気に流し込む。
胃はまだキリキリ痛むけどそれよりも今は何もかも忘れたい。
「マレーシアで会ってるのかな」
あの女性の声は円城さん?
それならもう記憶が戻ってる?
今日は嫌な事を色々考えてしまう。
(…忘れなきゃ)
そう思えば思うほど思いだして胃がキリキリ痛む
何もかも忘れたくてまたプルタブを引く。
「悪循環なのは分かってるけど…」
為す術もなくて真っ白な壁を見てはまた飲むを繰り返す。
疲れてたのか次第に瞼が重くなりそのままフローリングに横になった。
何時間寝たんだろう。
キリキリする痛みが酷くなり額に嫌な汗が浮かんでる。
「痛っ…」
胃を押さえても痛みを押さえれるわけもなく入口近くに置いたバッグを取ろうと床を這いずりながら何とかバッグの底に手が届いた。
「薬…」」
バッグを引き寄せたくても力が出ない。
起き上がる事もしんどい。
携帯もバッグの中だからどうにかして取りたくて底に何度か手を掛けるけどびくともしない。
(起きなきゃ無理か…)
さっきより酷くなる痛みを堪え少し身体を起こしバッグの持ち手に届いた。
そのまま手繰(たぐ)り寄せようと手に力を入れ勢いよく引っ張ると中身が床に散らばった。
「…うそ…」
お目当ての薬はコロコロと転がっていく。
粒状じゃなくて粉にしとけば良かったなんて後悔しても遅い。
ゆっくり床を這いずり薬に手が届く寸前で誰も居ないはずのドアが開いた。
「珠子!」
軽い冷や汗がどばっと吹き出る程の痛み私は声の主を見て目を見開いた。
「…胃が」
居るはずのない彼は慌てて私に駆け寄り身体をゆっくり起こし力強い腕で支えられる。
「救急車呼ぶから!」
私を抱き上げベッドに寝かせてくれる。
汗ばむ手で彼の腕に触れると電話を掛けようとする手を止めた。
「きゅ…救急車は」
嫌とは声に鳴らずマネージャーに目で懇願すると「分かった」と告げてまた私を抱き上げた。
「何でこうなるまで我慢するんだよ」
いつもの彼とは違う強い口調と抱き上げた腕は強くて安心をくれる。
「だ…だい」
「大丈夫じゃないだろ」
今度は切なく言うから「ごめんなさい」としか言えなくなった。
会長に言われた事で次第に落ち着きを取り戻し急遽早退になった。
「有休めちゃくちゃ有るんだから1~2週間くらい休みなよ」
これは香澄から提案された事。
「あんたが居ないと出来ない社員やスタッフばかりじゃないでしょ」
仕事が気になる私に「たまには甘えて」と言ってくれたのは三館のチーフ達。
金子さんには仕事を少し引き継いで後は共有ファイルで私のパソコンに送って貰える事になってる。
「何やってんのよ…私」
化粧を落とした情けない顔を鏡で見てまた水をジャバジャバぶっかける。
悔しさと冷静に慣れなかった自分がじわじわと胸にくる。
これから繁忙期を迎えるのに一週間の休暇と言う名の謹慎。
「彼が居なくて良かった」
彼女を庇った思いに後悔はない!
胸を張っても良いと思う!
でも…
(大事(おおごと)にしたくないと言ってた彼女の思いとは真逆に事を大きくしたのは私じゃない…)
気分が滅入り出す。
旦那である彼に報告するべき…
でも今は頭が回らない。
「明日から何しよう」
彼の実家にでも行く?
プロポーズの相手が“千世さん”だったかも知れない状況で一ノ瀬家のご家族に合わせる顔がない。
それどころか安らぎに甘えるのもいい加減止めきゃ。
「今日はとにかく…」
忘れたい
昼間からのお酒に背徳感を感じて自分の部屋に運びこんだ。
小さいガラステーブルにお酒を並べ片っ端からプルタブを引き一気に流し込む。
胃はまだキリキリ痛むけどそれよりも今は何もかも忘れたい。
「マレーシアで会ってるのかな」
あの女性の声は円城さん?
それならもう記憶が戻ってる?
今日は嫌な事を色々考えてしまう。
(…忘れなきゃ)
そう思えば思うほど思いだして胃がキリキリ痛む
何もかも忘れたくてまたプルタブを引く。
「悪循環なのは分かってるけど…」
為す術もなくて真っ白な壁を見てはまた飲むを繰り返す。
疲れてたのか次第に瞼が重くなりそのままフローリングに横になった。
何時間寝たんだろう。
キリキリする痛みが酷くなり額に嫌な汗が浮かんでる。
「痛っ…」
胃を押さえても痛みを押さえれるわけもなく入口近くに置いたバッグを取ろうと床を這いずりながら何とかバッグの底に手が届いた。
「薬…」」
バッグを引き寄せたくても力が出ない。
起き上がる事もしんどい。
携帯もバッグの中だからどうにかして取りたくて底に何度か手を掛けるけどびくともしない。
(起きなきゃ無理か…)
さっきより酷くなる痛みを堪え少し身体を起こしバッグの持ち手に届いた。
そのまま手繰(たぐ)り寄せようと手に力を入れ勢いよく引っ張ると中身が床に散らばった。
「…うそ…」
お目当ての薬はコロコロと転がっていく。
粒状じゃなくて粉にしとけば良かったなんて後悔しても遅い。
ゆっくり床を這いずり薬に手が届く寸前で誰も居ないはずのドアが開いた。
「珠子!」
軽い冷や汗がどばっと吹き出る程の痛み私は声の主を見て目を見開いた。
「…胃が」
居るはずのない彼は慌てて私に駆け寄り身体をゆっくり起こし力強い腕で支えられる。
「救急車呼ぶから!」
私を抱き上げベッドに寝かせてくれる。
汗ばむ手で彼の腕に触れると電話を掛けようとする手を止めた。
「きゅ…救急車は」
嫌とは声に鳴らずマネージャーに目で懇願すると「分かった」と告げてまた私を抱き上げた。
「何でこうなるまで我慢するんだよ」
いつもの彼とは違う強い口調と抱き上げた腕は強くて安心をくれる。
「だ…だい」
「大丈夫じゃないだろ」
今度は切なく言うから「ごめんなさい」としか言えなくなった。