すべてはあの花のために❾
「……どうしたの」
こんなの気のせいだと言い聞かせながら、そう声をかける。
「ん? いやね、躾がまだまだだったなと思って」
そう言うこいつは、やっぱりどこか元気がない。
「……カナが好きなの?」
「うん。好きだよ」
「……ふーん」
「わたしは、みんなが好き」
「え?」
「わたしにとっては、みんなが今、一番大事だよ」
「……そ」
「いろんな気持ちがあったの」
「ん?」
「嬉しいな。楽しいな。ありがとう。でも、ごめんなさい。申し訳ない。……そんな気持ちで、いっぱいだ」
「(あおい……)」
「でも、みんなが笑ってくれてたら。わたしは嬉しいんだ」
そう言って、あおいもキサのところに行ってチカをいじめに行った。
「(今まで自分がしてしまったこと、それから今、自分がオレらとこうしてることに、あいつも少なからず罪悪感を持ってるんだ)」
恐らくだけど、そんな気がする。……そんなの、感じなくたっていいのに。
それからどうやら、本当にちゃんと言えたカナが帰ってきた。ユズもどこかスッキリした顔になってたけど、目元は少し赤くなっていた。
次に病院に行くため、ユズとはここでお別れだ。オレと目が合ったら、申し訳なさそうに小さく笑ったから、後で連絡が来るだろうなって思った。
バス乗り場に行く時も、なんかあったらしい。あおいが……泣いてたから。
バスに乗り込んでもなかなか来ないから、カナが声を掛けたらやっと入ってきた。
『……ちょっと、あいつのことそんな目で見ないでくれる?』
『えー? だってかわいいんだもん!』
バスの中で、ユズをそんな目で見ていたら、そう返された気がした。
……おかしいな。ここ最近の駒、若干恋敵な節があるんだけど。