ワケアリ無気力くんが甘いです
「ヤコちゃん食べないの?」
「私はさっき食べた分で十分かな」
「えーあれだけで?」
「なにかつまみたいと思えば買うけど。かんちゃんは食べまくり続けていいからね」
「うん!ヤコちゃんたこ焼き一つ出してもらえる?」
フランクフルトの串をゴミ箱へ入れ、空いた両手にたこ焼きのパックを乗せてあげれば満足気なかんちゃん。次は何を食べるか、って食べながら考えてる。
──無限な胃袋のかんちゃんと時折、気になった出店に入り、お腹休めとしてダーツや子供向けの輪投げを楽しんだ。
景品の"食べ物1個無料券"のために。
結果的にはもらえず、落ち込んだりもしたけどこれもお祭りの醍醐味のようなものだから。
「……はー、グラウンドは大方食べ尽くした。学校の文化祭なのに、どこの食べ物も美味しいね!明日は校舎内とグラウンドの残りを制覇しなくては……」
徐々に1日目終了の時間が迫り、放送が流れ始めた。
『まもなく、1日目文化祭終了時刻となります。繰り返しますまもなく──』
終了時刻後、教室へ集合。
ワッフルの売上は予想を遥かに超えていて、明日も頑張ろうとクラス全体が盛り上がった。
帰る時も、手を振るだけで先崎くんとは話せなかったのは、ちょっと残念。