ワケアリ無気力くんが甘いです
「毎日のように突っかかってくる奴ら皆相手にしてたら、帰り道とかで集団に囲まれて、俺対数十人……みたいなこともあったりで」
「……それって卑怯じゃないの?」
「って思うけど、不良にとってはザラだよ。何回あったかわかんないし……ま、そんな感じで不良生活を送ってた俺の黒歴史があるってわけ」
話しながらまたお茶を飲むと、空になったグラスが置かれる。
「こんな生活抜け出せないかなって思ってたら、兄貴が店やりたいって言って、この家に越してきて。おかげで荒れた中学からは離れたけど……それでも俺は家からギリギリ通える中学を選んだんだ。少しでも元の中学から離れたくて」
そう、だったんだ……。
先崎くんが来た当初のこと、なんで覚えてないんだろ。……風邪とかで休んだかな。
「マスク外さないのも顔バレが嫌だから万が一のためで……でも何故か秋休み明けの転校早々同じクラスだったフジにはバレてたっていうか、知ってたんだよね。俺の元不良時代」
「藤田くんが?」
ここにきて藤田くんの話に切り替わり、少し重くなっていた空気が軽くなった。
「そう……その瞬間、あ、俺の高校生活終わったなって思った。だから警戒してたのに、変にいい奴でさ、誰にも言わないよって」
そのまま先崎くんは続ける。