結婚なんて、ゼッタイお断り!





***



「この学園、広すぎ……!」


私が中学受験して通うことになった、『私立城華学園中等部(しりつじょうかがくえんちゅうとうぶ)』。

ここは幼稚園から大学までのエスカレーター式の一貫校だ。




頭がいい生徒はもちろん、お金持ちの生徒や、芸能界で子役時代から活躍している有名人もいる。

校舎はレンガ調のお城みたいで、すごくおしゃれ。




「(そういえば、ドラマの撮影現場になったこともあるんだっけ)」

食堂でお昼ご飯を食べて、特にすることもない私は、一人で校内を見て回っていた。






「──おい、美桜」

「……!?」

そのとき、うしろから突然ぶっきら棒な声で呼ばれた私の名前。

……あぁ、この声も聞いたことがある。





澄田 大和(すみだ やまと)……」

婚約者候補の中で一番背が高くて、金髪で、耳にはいくつものピアスが付けられている。

いかにもヤンキーみたいな、この男子。






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