結婚なんて、ゼッタイお断り!
「心配しないで、美桜ちゃんはそのままでも可愛いよ」
「伊織うるさい!」
「美桜、お前よだれも垂れてんぞ」
「え!?嘘!!」
「まぁ、嘘だけど」
「なっ!!最低!大和なんか大嫌い!」
「ねぇねぇ、美桜ちゃん!僕は嫌いじゃないよね?僕は美桜ちゃんのこと大好きだもん!」
「そんな可愛い顔して見せたってダメなの陽太!早く出ていって!」
仮にも女子の部屋に勝手に入ってくるなんてあり得ない!
「おじいちゃんに言いつけてやるんだから!」
私は大慌てて自分の部屋を飛び出して、おじいちゃんがいる居間へ走った。
呑気に新聞を読みながらお茶をすすっているおじいちゃん。
「ねぇ、おじいちゃん!ウチに変質者が三人もいるんだけど!」
「朝から元気だのう、美桜」
「元気じゃないよ!変質者達のせいで、今にも心臓が止まっちゃいそうだよ!」
「アッハハハ!あれは変質者じゃないぞ?美桜の婚約者達だ」
「だから!どうしてウチに入れたのかって聞いてるの!」
「どうせ三年後には結婚する相手だろう?それなら、今日から伊織達にもこの家で住んでもらおうかと思ってのぉ」
──はい?
おじいちゃん、今、なんて言った?
「今日から……この家で、住む?」