歪んだ月が愛しくて1
覇王、再び
「リカー!朝飯食いに行こう!」
時刻は7時半丁度。
未空は毎朝同じ時間に俺の部屋までやって来る。
朝が苦手な俺としては有難いことだが、毎朝…しかも土日関係なく叩き起こされるのは正直迷惑以外の何者でもない。
今日も近所迷惑なんて考えずにドンドンと乱暴に扉を叩く音で起こされた。
「……今行く」
中から声を掛けて未空を廊下で待たせる。
それにしても今日はやけに外が騒がしいな。
有名人でも来てんのか?……いや、そもそもここにいる連中が有名人みたいなものか。
身支度を済ませてから扉を開けるとそこには異様な光景が広がっていた。
「「おはよう!!」」
「おはようございます」
バタン
清々しい笑顔に思わず扉を閉めた。
「……………夢?」
……だよな。うん、絶対そう。
そうでなければ奴等がここにいるばずがない。
と思いきや、途端に奴等が喚き出した。
「あれ、リカどうしちゃったの?忘れ物?」
ドンドンドンドン
「早く行かねぇと飯食いっぱぐれるぜ」
ドンドンドンドン
「立夏くん安心して下さい。悪の王様はいませんから」
……悪夢だ。
夢から醒めてもまたこれかよ。
今にも蹴破られそうな扉に深く溜息を吐いてやむを得ず扉を開けた。
「……何でいんの?」
「「迎えに来た!」」
あうち。
そんな笑顔で言われても殺意しか沸かない。
「さあ、行きましょうか」
「行くってどこに…」
「そりゃ勿論」
……あ、嫌な予感。
「食堂に」
「レッツゴー!」
やっぱり。