歪んだ月が愛しくて1



授業が始まるまでのささやかな一時。
食堂では大勢の学生が朝食を摂ったり談笑したりと過ごす中。



「ねぇ見た?さっき“Little Eden(リトルエデン)”に…」

「見た見た!覇王様が来てるんでしょう!」

「嘘!?僕見れなかった!」

「大丈夫だよ。ここで待ってれば帰る時にお会い出来るから」

「でも覇王様がここに来られるの珍しいね」

「そうそう。最近では全然お見掛けしなかったし…」

「きっとアイツのせいだよ」

「アイツ?」

「ほら、例の転入生の…」

「知ってる。未空様が生徒会に推薦した奴でしょう?」

「そうなの?僕は未空様を誑し込んで無理矢理覇王様に近付いたって聞いたけど」

「僕もそう聞いたよ!」

「真実はどうあれ図々しいよね。何様って感じ」

「本当貧乏人のくせに調子乗っちゃってさ」

「ほら見てよ、上」

「上?」

「……何あれっ!?何で転入生が“Little Eden”にいるわけ!?」

「有り得ない!あそこは覇王様専用の場所なのに!」

「図々しいにもほどがある!」

「でも待って。あそこにいるってことは…」

「まさかっ!?」

「嘘!信じられない!」

「クイーン様に報告しなくちゃ!」

「幹部の方々もきっとお怒りになるに違いないよ!」



……彼等のせいで台無しだ。















「Cモーニングを一つ」

「あ、俺もそれ」

「俺はAモーニングと牛丼セットと生卵ね。リカは?」

「……ホットコーヒーをお願いします」



ウェイターは「畏まりました」と言って階段を下って行く。



「……で、ご用件は?」



態と嫌味ったらしく言ってやった。
そのくらいしても罰は当たらないはずだ。



「用件?」

「特にないけど」



寧ろコイツ等に天罰をっ!


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