本当の愛を知るまでは
その3日後のことだった。

「これだ! 臼井、分かったぞ」

オフィスのデスクで突然声を上げた光星に、臼井と花純はハッとする。

「イントラネットがクラッキングされた痕跡がある」
「なに!? つまり、社内ネットに不正にアクセスされたってことか?」

臼井は光星のデスクに駆け寄った。

「ああ、そうだ。待ってろ、今犯人を特定出来る」

カタカタとキーボードに指を走らせる光星を、臼井も花純も固唾を飲んで見守る。
タン、とエンターキーを押した光星は、次の瞬間目を見開いた。

「まさか、彼女が……」

かすれた声で呟き、しばらく光星は微動だにしなかった。
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