本当の愛を知るまでは
その後、事態は一気に収束へと向かう。
犯人はベンチャー企業を立ち上げた30代の男で、クロスリンクワールドを陥れようと不正行為を働いたことを認めた。
社員の女性に近づき、恋人となり、すきを見てイントラネットをクラッキングして遠隔操作アプリを入れた。
彼女から光星とアンドリューが懇意なことを聞くと、インサイダー取引の偽装を思いつく。
光星の個人情報にアクセスし、株の売買履歴を検索すると、ゴールデンシステムズの株を買い付けた前日にアンドリューからメールが送られて来たように偽装した。
そしてそれを、クロスリンクワールドの社員を名乗って内部告発し、週刊誌にも情報を提供していたのだった。
全てを自供した男は、今後不正アクセス禁止法に則り処罰されることになる。
光星は全社員を呼び戻し、事情を説明すると、弁護士を通して声明文を発表した。
スポンサーやユーザーに向けても謝罪文を公表し、今後はインターネットのサイトだけではなく、イントラネットのセキュリティーも強固にする為に、すぐに対策本部を立ち上げた。
花純も自分のオフィスに戻り、改めて皆に感謝の言葉を伝える。
誰もが、良かったねと笑顔で花純を労ってくれた。
ビルのエントランスにいたマスコミもいなくなり、光星と花純は久しぶりにマンションへと帰る。
「はあ、やっぱりうちはいいな」
ソファに並んで二人でコーヒーを飲む。
「光星さん、今夜はゆっくり休んでくださいね。疲れが溜まってるはずですから」
花純がそう言うと、光星はじっと真顔で花純を見つめた。
「光星さん? どうかしましたか?」
「身体は疲れてるけど、心を先に癒やしたい。いい?」
「え? はい」
よく分からず答えた途端、花純は光星に抱きかかえられた。
「えっ、光星さん? ちょ、待って!」
「待てない」
じたばたと焦る花純を、光星は足早に寝室へと連れて行きベッドに横たえる。
すぐさま覆いかぶさって口づけた。
「んっ、光星さん……」
「花純、愛してる。心の底から君が好きだ」
キスの合間に言葉を紡ぐ。
「人を愛するって、こういうことなんだ。俺の人生を、俺の全てを支えてくれる花純を、魂が求めて離さない。気持ちよりも心よりも、もっともっと奥深くで、俺は花純を愛してる」
「光星さん……、私もです。誰かをこんなにも自分の中に受け入れたことはない。私はもう私だけの存在じゃない。光星さんがいつも私の奥深くにいて、私を愛して守ってくれる。光星さん、私もあなたを愛しています」
「花純……、ありがとう」
感動で胸を打ち震わせ、幸せを噛みしめながら互いに抱きしめ合う。
心が通じ合えば、言葉はいらない。
二人はただ、温もりと愛情に溺れていた。
犯人はベンチャー企業を立ち上げた30代の男で、クロスリンクワールドを陥れようと不正行為を働いたことを認めた。
社員の女性に近づき、恋人となり、すきを見てイントラネットをクラッキングして遠隔操作アプリを入れた。
彼女から光星とアンドリューが懇意なことを聞くと、インサイダー取引の偽装を思いつく。
光星の個人情報にアクセスし、株の売買履歴を検索すると、ゴールデンシステムズの株を買い付けた前日にアンドリューからメールが送られて来たように偽装した。
そしてそれを、クロスリンクワールドの社員を名乗って内部告発し、週刊誌にも情報を提供していたのだった。
全てを自供した男は、今後不正アクセス禁止法に則り処罰されることになる。
光星は全社員を呼び戻し、事情を説明すると、弁護士を通して声明文を発表した。
スポンサーやユーザーに向けても謝罪文を公表し、今後はインターネットのサイトだけではなく、イントラネットのセキュリティーも強固にする為に、すぐに対策本部を立ち上げた。
花純も自分のオフィスに戻り、改めて皆に感謝の言葉を伝える。
誰もが、良かったねと笑顔で花純を労ってくれた。
ビルのエントランスにいたマスコミもいなくなり、光星と花純は久しぶりにマンションへと帰る。
「はあ、やっぱりうちはいいな」
ソファに並んで二人でコーヒーを飲む。
「光星さん、今夜はゆっくり休んでくださいね。疲れが溜まってるはずですから」
花純がそう言うと、光星はじっと真顔で花純を見つめた。
「光星さん? どうかしましたか?」
「身体は疲れてるけど、心を先に癒やしたい。いい?」
「え? はい」
よく分からず答えた途端、花純は光星に抱きかかえられた。
「えっ、光星さん? ちょ、待って!」
「待てない」
じたばたと焦る花純を、光星は足早に寝室へと連れて行きベッドに横たえる。
すぐさま覆いかぶさって口づけた。
「んっ、光星さん……」
「花純、愛してる。心の底から君が好きだ」
キスの合間に言葉を紡ぐ。
「人を愛するって、こういうことなんだ。俺の人生を、俺の全てを支えてくれる花純を、魂が求めて離さない。気持ちよりも心よりも、もっともっと奥深くで、俺は花純を愛してる」
「光星さん……、私もです。誰かをこんなにも自分の中に受け入れたことはない。私はもう私だけの存在じゃない。光星さんがいつも私の奥深くにいて、私を愛して守ってくれる。光星さん、私もあなたを愛しています」
「花純……、ありがとう」
感動で胸を打ち震わせ、幸せを噛みしめながら互いに抱きしめ合う。
心が通じ合えば、言葉はいらない。
二人はただ、温もりと愛情に溺れていた。