本当の愛を知るまでは
エステで全身ピカピカになり、ネイルもグラデーションカラーで綺麗に飾ってもらう。
満足気に部屋に戻ると、ソファに座ってパソコンを開いていた光星が顔を上げた。
「お帰り。どうだった?」
「とっても気持ち良かったです。光星さん、お仕事は?」
「終わったよ。これからは花純との時間だ。おいで」
パソコンを閉じた光星におずおずと近づくと、グイッと抱き寄せられて後ろからすっぽりと両腕で包まれた。
「花純、ずっとこうしたかった」
背後から耳元でささやかれ、花純の胸が高鳴る。
「私もです」
「……いい香りがする」
「あ、エステで綺麗にしてもらったから」
すると光星は、花純の首筋にチュッと口づけた。
んっ、と花純の口から吐息がもれる。
「花純の肌、すべすべして手に吸いつくみたいだ」
「光星さん、あのっ」
スーッと首筋を指でなでられ、鎖骨にチュッとキスをされて、花純の身体はピクリと跳ねた。
「もう、ダメ」
振り返ると、光星の胸に顔をうずめる。
耳まで真っ赤になる花純に、光星はクスッと笑みをもらした。
「可愛いな、花純。ずっと俺の腕の中に閉じ込めておきたい」
そう言って花純の髪をなでながら、光星は何かを考え始めた様子だった。
「光星さん? どうかした?」
「ん? ああ、ちょっとね。花純に話しておきたいことがある」
「なあに?」
不安になって、花純は顔を上げた。
光星は、振り返った花純を優しく腕に抱いて口を開く。
「昨日、仕事終わりに会社のロビーで杉崎さんに声をかけられた」
「え、千鶴ちゃんに?」
「そう。バーに誘われたけど断ったんだ。そしたら、その場で告白された」
えっ!と花純は言葉を失くす。
「恋人がいるから君とはつき合えないと伝えた。もちろん、相手が花純だとは言ってないよ。それだけ花純の耳に入れておきたくて」
「そうだったんですね……。千鶴ちゃん、本気で光星さんのことを好きだったんだ」
「それは違うと思う。単に、これからつき合っていければって軽い気持ちだと思うよ。だって彼女、俺としゃべったことだってなかったんだから」
「でも、つき合ってお互い好きになっていければって思ったんですよね、千鶴ちゃん」
「花純、はっきり言っておく。俺は花純と知り合って、君と話していくうちに心惹かれた。つき合うことになって、だけど嫌われたくなくて遠慮して、毎日悩んだ。今こうして君に何でも話せる仲になって、君が好きでたまらない。他の誰にも心が揺れたりしないし、花純を誰にも渡す気はない。覚えておいて」
光星さん……、と花純は目を潤ませた。
「私もあなたに話しておきたいことがあります。私、おととい滝沢くんに告白されました」
光星がハッと目を見開く。
「それで、花純はなんて?」
「その場ですぐ断ろうとしました。だけど滝沢くん、返事はまだいらないって。今ならノーって言われそうだから、ちゃんと一人の男として見てからにしてって、そのまま立ち去ってしまいました」
「そうだったのか……」
「光星さん、私ちゃんと断りますから。信じてください」
「花純……。もちろん君を信じるよ、ありがとう」
「はい」
光星は優しく花純の頭を抱き寄せ、額にそっと口づけた。
満足気に部屋に戻ると、ソファに座ってパソコンを開いていた光星が顔を上げた。
「お帰り。どうだった?」
「とっても気持ち良かったです。光星さん、お仕事は?」
「終わったよ。これからは花純との時間だ。おいで」
パソコンを閉じた光星におずおずと近づくと、グイッと抱き寄せられて後ろからすっぽりと両腕で包まれた。
「花純、ずっとこうしたかった」
背後から耳元でささやかれ、花純の胸が高鳴る。
「私もです」
「……いい香りがする」
「あ、エステで綺麗にしてもらったから」
すると光星は、花純の首筋にチュッと口づけた。
んっ、と花純の口から吐息がもれる。
「花純の肌、すべすべして手に吸いつくみたいだ」
「光星さん、あのっ」
スーッと首筋を指でなでられ、鎖骨にチュッとキスをされて、花純の身体はピクリと跳ねた。
「もう、ダメ」
振り返ると、光星の胸に顔をうずめる。
耳まで真っ赤になる花純に、光星はクスッと笑みをもらした。
「可愛いな、花純。ずっと俺の腕の中に閉じ込めておきたい」
そう言って花純の髪をなでながら、光星は何かを考え始めた様子だった。
「光星さん? どうかした?」
「ん? ああ、ちょっとね。花純に話しておきたいことがある」
「なあに?」
不安になって、花純は顔を上げた。
光星は、振り返った花純を優しく腕に抱いて口を開く。
「昨日、仕事終わりに会社のロビーで杉崎さんに声をかけられた」
「え、千鶴ちゃんに?」
「そう。バーに誘われたけど断ったんだ。そしたら、その場で告白された」
えっ!と花純は言葉を失くす。
「恋人がいるから君とはつき合えないと伝えた。もちろん、相手が花純だとは言ってないよ。それだけ花純の耳に入れておきたくて」
「そうだったんですね……。千鶴ちゃん、本気で光星さんのことを好きだったんだ」
「それは違うと思う。単に、これからつき合っていければって軽い気持ちだと思うよ。だって彼女、俺としゃべったことだってなかったんだから」
「でも、つき合ってお互い好きになっていければって思ったんですよね、千鶴ちゃん」
「花純、はっきり言っておく。俺は花純と知り合って、君と話していくうちに心惹かれた。つき合うことになって、だけど嫌われたくなくて遠慮して、毎日悩んだ。今こうして君に何でも話せる仲になって、君が好きでたまらない。他の誰にも心が揺れたりしないし、花純を誰にも渡す気はない。覚えておいて」
光星さん……、と花純は目を潤ませた。
「私もあなたに話しておきたいことがあります。私、おととい滝沢くんに告白されました」
光星がハッと目を見開く。
「それで、花純はなんて?」
「その場ですぐ断ろうとしました。だけど滝沢くん、返事はまだいらないって。今ならノーって言われそうだから、ちゃんと一人の男として見てからにしてって、そのまま立ち去ってしまいました」
「そうだったのか……」
「光星さん、私ちゃんと断りますから。信じてください」
「花純……。もちろん君を信じるよ、ありがとう」
「はい」
光星は優しく花純の頭を抱き寄せ、額にそっと口づけた。