本当の愛を知るまでは
翌朝も良く晴れた青空が広がっていた。
「涼しくてとっても気持ちいいですね」
朝食を食べてから、森林の中を二人で散歩した。
広いブックカフェに立ち寄り、オシャレなソファで本を読みながらコーヒーを味わう。
チェックアウトの時間になり、名残惜しみつつ部屋をあとにした。
「花純、今日はこれからどうする? アウトレットにショッピングに行くか?」
「うーん、買い物はどこでも出来るから今日はいいです。それより近くで乗馬体験やってるみたい。そこでもいい?」
「もちろん、早速行こう」
荷物を車に載せてホテルを出ると、車で10分ほどの乗馬クラブに着いた。
「わあ、たくさんいる! かっこいいなあ」
馬に目を輝かせる花純に、光星は聞いてみる。
「花純、馬に乗れるの?」
「少しだけ。海外にいた時によく乗せてもらってたんです。帰国してから乗馬ライセンス4級を取りました」
「おお、奇遇だな。俺も4級持ってる」
「そうなんですか?」
するとスタッフが「でしたら!」と提案する。
「お二人とも速歩は問題ないですよね。せっかくですからトレッキングに出かけませんか?」
「気持ち良さそう! この辺りは自然がいっぱいですものね」
「はい、ぜひ。着替えもご用意していますので」
光星と花純は、そうしようかと顔を見合わせて頷き、早速準備をする。
ヘルメットとプロテクターをつけ、選んでもらった馬に跨った。
慣らしに馬場内を何周かしてから、外乗に出かける。
森林の中をゆったりと走り、小川を超え、なだらかな坂を駆け上がって楽しんだ。
「お二人ともお上手ですから、もう少しスピード上げましょうか」
先導するスタッフに言われて、最後は風を切って気持ち良く駆けた。
「あー、楽しかった!」
満足気に馬を降りて、「ありがとね」とお礼を言ってなでる。
「お写真お撮りしますよ。並んでください」
馬と一緒に撮った二人の笑顔の写真も、記念にプリントしてもらった。
「とっても楽しかったですね」
高速道路を走る帰りの車の中で、花純は笑顔で写真を見返す。
「ああ、思いがけず久しぶりに馬に乗れて良かった。それに花純と共通の趣味があることが分かって嬉しい」
「私もです。また行きたいな」
「必ずまた行こう」
「はい!」
嬉しそうな花純に、光星も優しく微笑んだ。
しばらくスマートフォンを操作していた花純が顔を上げ、ハンドルを握る光星に話しかける。
「光星さん、私のメッセージアプリのアイコン、変えました。あとで見てみてくださいね」
「分かった。臼井のお菓子を変えたのか? 何だろう」
「ふふっ、お楽しみに」
途中で早めの夕食を食べ、花純のマンションに着く。
「光星さん、ありがとうございました。とっても楽しい旅行でした」
「俺もだよ。花純のことをもっともっと好きになった」
「私もです。気をつけて帰ってくださいね」
「ああ。今夜はゆっくり休んで」
「はい、光星さんも」
頬にキスをしてから、光星は花純に見送られてマンションをあとにする。
自宅に帰ってしばらくすると、花純からメッセージが届いた。
『楽しい時間をありがとうございました』
アイコンは、トレッキングした二頭の馬が仲良く顔を寄せ合っている写真だった。
「ふっ、ようやく臼井に勝ったぞ」
思わずニヤリとほくそ笑む。
あとは、そう。滝沢だ。
だが、花純を信じている。
何も心配することはない。
『俺も楽しかった。次のデートも考えておいて。おやすみ、俺の花純』
メッセージを送信すると、楽しかった余韻に浸りながらワインを開けた。
「涼しくてとっても気持ちいいですね」
朝食を食べてから、森林の中を二人で散歩した。
広いブックカフェに立ち寄り、オシャレなソファで本を読みながらコーヒーを味わう。
チェックアウトの時間になり、名残惜しみつつ部屋をあとにした。
「花純、今日はこれからどうする? アウトレットにショッピングに行くか?」
「うーん、買い物はどこでも出来るから今日はいいです。それより近くで乗馬体験やってるみたい。そこでもいい?」
「もちろん、早速行こう」
荷物を車に載せてホテルを出ると、車で10分ほどの乗馬クラブに着いた。
「わあ、たくさんいる! かっこいいなあ」
馬に目を輝かせる花純に、光星は聞いてみる。
「花純、馬に乗れるの?」
「少しだけ。海外にいた時によく乗せてもらってたんです。帰国してから乗馬ライセンス4級を取りました」
「おお、奇遇だな。俺も4級持ってる」
「そうなんですか?」
するとスタッフが「でしたら!」と提案する。
「お二人とも速歩は問題ないですよね。せっかくですからトレッキングに出かけませんか?」
「気持ち良さそう! この辺りは自然がいっぱいですものね」
「はい、ぜひ。着替えもご用意していますので」
光星と花純は、そうしようかと顔を見合わせて頷き、早速準備をする。
ヘルメットとプロテクターをつけ、選んでもらった馬に跨った。
慣らしに馬場内を何周かしてから、外乗に出かける。
森林の中をゆったりと走り、小川を超え、なだらかな坂を駆け上がって楽しんだ。
「お二人ともお上手ですから、もう少しスピード上げましょうか」
先導するスタッフに言われて、最後は風を切って気持ち良く駆けた。
「あー、楽しかった!」
満足気に馬を降りて、「ありがとね」とお礼を言ってなでる。
「お写真お撮りしますよ。並んでください」
馬と一緒に撮った二人の笑顔の写真も、記念にプリントしてもらった。
「とっても楽しかったですね」
高速道路を走る帰りの車の中で、花純は笑顔で写真を見返す。
「ああ、思いがけず久しぶりに馬に乗れて良かった。それに花純と共通の趣味があることが分かって嬉しい」
「私もです。また行きたいな」
「必ずまた行こう」
「はい!」
嬉しそうな花純に、光星も優しく微笑んだ。
しばらくスマートフォンを操作していた花純が顔を上げ、ハンドルを握る光星に話しかける。
「光星さん、私のメッセージアプリのアイコン、変えました。あとで見てみてくださいね」
「分かった。臼井のお菓子を変えたのか? 何だろう」
「ふふっ、お楽しみに」
途中で早めの夕食を食べ、花純のマンションに着く。
「光星さん、ありがとうございました。とっても楽しい旅行でした」
「俺もだよ。花純のことをもっともっと好きになった」
「私もです。気をつけて帰ってくださいね」
「ああ。今夜はゆっくり休んで」
「はい、光星さんも」
頬にキスをしてから、光星は花純に見送られてマンションをあとにする。
自宅に帰ってしばらくすると、花純からメッセージが届いた。
『楽しい時間をありがとうございました』
アイコンは、トレッキングした二頭の馬が仲良く顔を寄せ合っている写真だった。
「ふっ、ようやく臼井に勝ったぞ」
思わずニヤリとほくそ笑む。
あとは、そう。滝沢だ。
だが、花純を信じている。
何も心配することはない。
『俺も楽しかった。次のデートも考えておいて。おやすみ、俺の花純』
メッセージを送信すると、楽しかった余韻に浸りながらワインを開けた。