筆頭魔術師様は悪女と呼ばれる呪われた令嬢の呪いを解きたい
「大丈夫だよ。俺はこの国の筆頭魔術師だ。呪いを解いた際の反動なんて俺にとっては無いようなものだから」
「そうだったんですね……よかった」
クレイスの返事に、ティアラは心底嬉しそうに微笑む。その微笑みを見た瞬間、クレイスの胸の中に爽やかな風が吹いていく。クレイスの目の前にあるもの全てがキラキラと輝いて見え、ティアラの微笑みはどんなものよりも美しいと思った。
「君は、またそうやって俺のことを思って微笑んでくれるんだね。ありがとう」
「……えっ、あ、私、微笑んでいる……?クレイス様、私……!」
(そうよね、クレイス様が呪いを解いてくれたのだから、表情が動いていても何にもおかしくない。でも、本当に私、笑えているのね)
ティアラは不思議そうな顔で自分の頬を両手でぺたぺたと触っている。そんなティアラを、クレイスは今度は少しだけ強く抱きしめた。
「よかった。また君がそうして笑ってくれて。本当に嬉しいよ」
「クレイス様……ありがとうございます。呪いが解けたら、どうなってしまうんだろうって本当は不安だったんです。でも、こうして私は私の心を、表情を取り戻すことができました。クレイス様のおかげです」
「もとはと言えば俺のせいなんだ。だからお礼なんて言われるほどのことはしてないよ」
クレイスの言葉を聞いて、ティアラはクレイスの腕の中で首をブンブンと振った。
「あの時、私がクレイス様を庇ったことで、クレイス様にはずっと辛い思いをさせてしまったかもしれません。でも、やっぱり私は、こんな呪いがクレイス様にかからなくて本当に良かったと思っています。それに、こうやってクレイス様は呪いを解いてくださいました。私を、私に戻してくれたんです。だから、クレイス様のおかげです。本当に、ありがとうございます」
そう言って、ふわりと微笑むティアラの表情は優しく、まるで花がほころぶような穏やかな微笑みだった。その微笑みを見て、クレイスの心はじんわりとあたたかくなり、心臓はトクトクと速く鳴っている。そしていつの間にか、クレイスはティアラに顔を近づけて、軽くキスをしていた。
(え……?クレイス様に、キス、されてる?)
クレイスが唇を離すと、ティアラは茫然としたままクレイスの顔を見つめる。
「ごめん、あまりにも君への気持ちが溢れてしまって、思わずキスしちゃった。嫌だったかな?」
眉を下げ、クレイスは少し困ったようにティアラに尋ねる。
「い、嫌では、ない、ですけど、あまりに急で……」
「じゃあ、急じゃなかったら問題ない?」
「そ、それはっ!その聞き方はズルいです!」
顔を真っ赤にして抗議するティアラを、クレイスはフフッと笑いながら愛おしそうに見つめ、ティアラの両手をそっと掴む。
「好きだよ、ティアラ。俺とずっと一緒に生きて欲しい」
美しい紫色の瞳が、ティアラの瞳を射抜いて離さない。ティアラは顔を真っ赤にしながら、照れたように微笑んで小さく頷いた。それを見たクレイスは優しくティアラの頬に手を添えて、またティアラにキスを落とした。
「そうだったんですね……よかった」
クレイスの返事に、ティアラは心底嬉しそうに微笑む。その微笑みを見た瞬間、クレイスの胸の中に爽やかな風が吹いていく。クレイスの目の前にあるもの全てがキラキラと輝いて見え、ティアラの微笑みはどんなものよりも美しいと思った。
「君は、またそうやって俺のことを思って微笑んでくれるんだね。ありがとう」
「……えっ、あ、私、微笑んでいる……?クレイス様、私……!」
(そうよね、クレイス様が呪いを解いてくれたのだから、表情が動いていても何にもおかしくない。でも、本当に私、笑えているのね)
ティアラは不思議そうな顔で自分の頬を両手でぺたぺたと触っている。そんなティアラを、クレイスは今度は少しだけ強く抱きしめた。
「よかった。また君がそうして笑ってくれて。本当に嬉しいよ」
「クレイス様……ありがとうございます。呪いが解けたら、どうなってしまうんだろうって本当は不安だったんです。でも、こうして私は私の心を、表情を取り戻すことができました。クレイス様のおかげです」
「もとはと言えば俺のせいなんだ。だからお礼なんて言われるほどのことはしてないよ」
クレイスの言葉を聞いて、ティアラはクレイスの腕の中で首をブンブンと振った。
「あの時、私がクレイス様を庇ったことで、クレイス様にはずっと辛い思いをさせてしまったかもしれません。でも、やっぱり私は、こんな呪いがクレイス様にかからなくて本当に良かったと思っています。それに、こうやってクレイス様は呪いを解いてくださいました。私を、私に戻してくれたんです。だから、クレイス様のおかげです。本当に、ありがとうございます」
そう言って、ふわりと微笑むティアラの表情は優しく、まるで花がほころぶような穏やかな微笑みだった。その微笑みを見て、クレイスの心はじんわりとあたたかくなり、心臓はトクトクと速く鳴っている。そしていつの間にか、クレイスはティアラに顔を近づけて、軽くキスをしていた。
(え……?クレイス様に、キス、されてる?)
クレイスが唇を離すと、ティアラは茫然としたままクレイスの顔を見つめる。
「ごめん、あまりにも君への気持ちが溢れてしまって、思わずキスしちゃった。嫌だったかな?」
眉を下げ、クレイスは少し困ったようにティアラに尋ねる。
「い、嫌では、ない、ですけど、あまりに急で……」
「じゃあ、急じゃなかったら問題ない?」
「そ、それはっ!その聞き方はズルいです!」
顔を真っ赤にして抗議するティアラを、クレイスはフフッと笑いながら愛おしそうに見つめ、ティアラの両手をそっと掴む。
「好きだよ、ティアラ。俺とずっと一緒に生きて欲しい」
美しい紫色の瞳が、ティアラの瞳を射抜いて離さない。ティアラは顔を真っ赤にしながら、照れたように微笑んで小さく頷いた。それを見たクレイスは優しくティアラの頬に手を添えて、またティアラにキスを落とした。


