残念姫、王子に溺愛される
恋羽の瞳が、切なく揺れている。
悲しくて、苦しくて…恋羽の目から涙が止めどなく溢れていた。
「ど…して……?」
「“僕には”その権利があるからだよ」
「え…どうゆうこと?」
「フフ…
本当に、ピュアなお姫様だね(笑)」
「緋月くん、わかんないよ!
ちゃんと言って!?」
緋月は恋羽の頬に触れ、ゆっくり撫でた。
そして、恋羽の背後当たりに向かって呼びかけた。
「―――――歩稀!
いるんだよね?
おいでよ!
みんなで、話そ?」
歩稀、マリホ、タツシが顔を出した。
そして歩稀だけ、恋羽と緋月の元へ近づいてきた。
マリホとタツシは、見守るように見つめている。
「歩稀、恋羽。
僕は、恋羽と異父兄妹なんだ……!」
「………」
「………え……?」
「それと、恋羽。
僕はずっと……
“恋羽のことが好きだったんだ!”
もちろん、妹としてじゃない。
“女性として”」
「え……嘘……」
「歩稀は、最初から気づいてたみたいだけど」
「やっぱ、そうなんだ。
でも、まさか本当に兄妹だなんて思わなかった。
なんでもっと早くから、恋羽をモノにしないのかなって不思議だったから」
「緋月くん、私……」
「恋羽。
歩稀が“天性の王子”じゃないこと、本人から聞いたんだよね?」
「う、うん」
「だったら、どうして?
どうして、受け入れられたの?
恋羽にとっては、未知の世界みたいなことでしょ?
恋羽だって、あいつに散々傷つけられた。
それと同じことを歩稀もしてきたんだよ?」
「――――――好きだから…!」
「恋羽…」
「それしかなかった。
歩稀さんからお話聞いて、怖くなった。
騙された時のことを思い出した。
苦しくなって、悲しくなった。
…………でも、歩稀さんの“傍にいたい”歩稀さんを“信じたい”って思ったの!」
溢れる涙を拭うこともせず、恋羽は真っ直ぐ緋月を見上げて言った。
「恋羽の中で、僕はやっぱり“兄”なんだね……」
その迷いのない真っ直ぐな視線に、緋月が微笑み目を伏せて呟く。
そして「そっか…!」と笑った。
悲しくて、苦しくて…恋羽の目から涙が止めどなく溢れていた。
「ど…して……?」
「“僕には”その権利があるからだよ」
「え…どうゆうこと?」
「フフ…
本当に、ピュアなお姫様だね(笑)」
「緋月くん、わかんないよ!
ちゃんと言って!?」
緋月は恋羽の頬に触れ、ゆっくり撫でた。
そして、恋羽の背後当たりに向かって呼びかけた。
「―――――歩稀!
いるんだよね?
おいでよ!
みんなで、話そ?」
歩稀、マリホ、タツシが顔を出した。
そして歩稀だけ、恋羽と緋月の元へ近づいてきた。
マリホとタツシは、見守るように見つめている。
「歩稀、恋羽。
僕は、恋羽と異父兄妹なんだ……!」
「………」
「………え……?」
「それと、恋羽。
僕はずっと……
“恋羽のことが好きだったんだ!”
もちろん、妹としてじゃない。
“女性として”」
「え……嘘……」
「歩稀は、最初から気づいてたみたいだけど」
「やっぱ、そうなんだ。
でも、まさか本当に兄妹だなんて思わなかった。
なんでもっと早くから、恋羽をモノにしないのかなって不思議だったから」
「緋月くん、私……」
「恋羽。
歩稀が“天性の王子”じゃないこと、本人から聞いたんだよね?」
「う、うん」
「だったら、どうして?
どうして、受け入れられたの?
恋羽にとっては、未知の世界みたいなことでしょ?
恋羽だって、あいつに散々傷つけられた。
それと同じことを歩稀もしてきたんだよ?」
「――――――好きだから…!」
「恋羽…」
「それしかなかった。
歩稀さんからお話聞いて、怖くなった。
騙された時のことを思い出した。
苦しくなって、悲しくなった。
…………でも、歩稀さんの“傍にいたい”歩稀さんを“信じたい”って思ったの!」
溢れる涙を拭うこともせず、恋羽は真っ直ぐ緋月を見上げて言った。
「恋羽の中で、僕はやっぱり“兄”なんだね……」
その迷いのない真っ直ぐな視線に、緋月が微笑み目を伏せて呟く。
そして「そっか…!」と笑った。