恋の模範解答はどこですか?!
EP.1 平凡ってこんなもの?
「ねえ、、これいつになったら終わるの、、、」
目の前にある何枚かの紙。
捨てられたように置いてあるシャーペン。
『知るかよ…
誰のせいでこうなったと思ってんだよまじで』
隣にいる彼は幼馴染の早川颯太。
私のお母さんと颯太のお母さんは高校から今までずっと仲が良い ”親友” だ。
高校を卒業した2人は少ないお金を持って上京した。
高校時代の貯金では生活費が賄えなかった2人は小さな部屋を借りて2人で住んでいたらしい。
親の反対を押し切って上京したが故に2人して仕送りはゼロだった。
そこから大学生活も就活も何でも2人で乗り越えてきたという。
そして2人は約束したらしい。
私たちが結婚したら隣に家を建てよう、そして子供が生まれたら “親友” にしてあげよう と。
本当にその約束は実現した。
2人は同じ年に結婚し子供を産んだ。
その子供が私と早川颯太だ。
そんな私たちは今遅刻した罰で反省文を書いている。
「まじでごめんって…もうしないから、ね???」
『黙れ先生くる』
【お前ら今年で2回目だぞ、3回目はないからな】
『すみません。』
【長島は、】
「すみません……」
『ただお前んちの前で待ってただけでなんでこんなことになるんだよほんとに』
私より10cm以上高い位置にある目で私を見下してふざけた声で聞いてくる彼。
いや、私も遅刻したくてしたんじゃないんですけど?
「なんか奢ってあげるから…」
『今日?』
「部活ある?」
『いや』
「じゃあ今日いこ、奢ります」
『先帰んなよーー』
「はいはいーーーーーー」
今日が私の財布の命日か、、、、、、
『やば、うま、遅刻も悪くないかもな』
「食べ盛りの友達を持つと後悔するね」
『うるさい、詩音が遅刻したからこうなってんだよ』
大きな口でハンバーガーを頬張る颯太をチラチラ盗み見て話す女子高生の声が聞こえる。
あの高校って治安悪いとこだっけ。
【あの人めっちゃかっこよくない?!インスタ聞こうかな、あの人彼女かなーーー】
またこんなんだ。しっかり見ると意外にかっこいい。
生まれた時から今まで1日も外さずに顔を見ているとわからなくなるけど、案外モテるのだ。裏で密かに。
『帰ろ、お腹いっぱい』
「遅刻したのは私だけど感謝くらいして??」
『感謝』
もうあたりは薄暗くなって街頭の光が光り始めた。
「家帰って時間あったら連絡して」
『なんで?』
「数学わかんないから教えてよ」
『俺んちでやればいいじゃん』
「またメイク落とさないでそのまま颯太の家で寝ちゃったらどうすんのさ」
『そんな変わんないだろすっぴんと今の顔』
1発殴ってやってもいいですか???????
「連絡してよねーーー」
でも、明日あんなことになるなんて誰が予想できた?
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