呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「駄々を捏ねるな。みっともない」
その姿を目にしたオルジェントは、白猫に厳しい言葉を投げかけると――これ幸いとばかりに。
勢いよく水を張ったバケツの中へ、ハクマを投げ込んだ。
『うわぁ! あっぷ、ぷぷ……ぶぶ……』
「イブリーヌ」
「は、はい……!」
「汚れを落としてやれ」
「わ、わかりました……!」
水の中に両手を入れた彼女は、急いで溺れかけているハクマの顔を外に出してやってから、おぼつかない手つきでワシャワシャと真っ白な毛を撫で回す。
その間、白猫は露骨に嫌そうな顔をしながら声にならない悲鳴を上げ続けた。
『うぅ……。き、気持ち悪い……』
「が、頑張ってください……! もう少し、ですので……!」
イブリーヌがワシャワシャと手を動かし薄汚れた白い毛に指を這わせるたびに、透き通っていたはずの水が黒く染まる。
『キタヨ』
『あの子が目覚めた』
『みんな、待ってたの!』
ゆらゆら、ゆらゆらと――水面が激しく揺れる。
口々に騒ぎ立てる亡霊の声へ、誘われるように――やがて汚水は、踊るように空中へ浮かび上がった。
その姿を目にしたオルジェントは、白猫に厳しい言葉を投げかけると――これ幸いとばかりに。
勢いよく水を張ったバケツの中へ、ハクマを投げ込んだ。
『うわぁ! あっぷ、ぷぷ……ぶぶ……』
「イブリーヌ」
「は、はい……!」
「汚れを落としてやれ」
「わ、わかりました……!」
水の中に両手を入れた彼女は、急いで溺れかけているハクマの顔を外に出してやってから、おぼつかない手つきでワシャワシャと真っ白な毛を撫で回す。
その間、白猫は露骨に嫌そうな顔をしながら声にならない悲鳴を上げ続けた。
『うぅ……。き、気持ち悪い……』
「が、頑張ってください……! もう少し、ですので……!」
イブリーヌがワシャワシャと手を動かし薄汚れた白い毛に指を這わせるたびに、透き通っていたはずの水が黒く染まる。
『キタヨ』
『あの子が目覚めた』
『みんな、待ってたの!』
ゆらゆら、ゆらゆらと――水面が激しく揺れる。
口々に騒ぎ立てる亡霊の声へ、誘われるように――やがて汚水は、踊るように空中へ浮かび上がった。