呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「お、オルジェント様!?」
彼は手にした己の武器を馴れた手つきで振るうと、女性の喉元に鋭利な刃の切っ先を突きつける。
オルジェントは妻を攻撃した忌々しい人間に、自身の名を呼ばれたのが不愉快で堪らないようだ。
露骨に眉を顰めて相手を睨みつけると、低い声で怒鳴りつけた。
「失せろ……!」
「な、なぜですの!? わたくしの方が、よほどオルジェント様に相応しい妻になれますのに!」
愛する人から拒絶された理由がわからず、驚きで瞳を見開いた女性はなぜかと問いかける。
(陛下が、私を見つけてくださって……。本当に、よかった……)
言い争う二人の姿をぼんやりと心ここにあらずな様子で見守っていたイブリーヌは、夫の姿を視界に捉え、安心して気が抜けたのだろう。
緊張の糸をぷつりと途切れさせ、その場に力なく崩れ落ちた。
彼は手にした己の武器を馴れた手つきで振るうと、女性の喉元に鋭利な刃の切っ先を突きつける。
オルジェントは妻を攻撃した忌々しい人間に、自身の名を呼ばれたのが不愉快で堪らないようだ。
露骨に眉を顰めて相手を睨みつけると、低い声で怒鳴りつけた。
「失せろ……!」
「な、なぜですの!? わたくしの方が、よほどオルジェント様に相応しい妻になれますのに!」
愛する人から拒絶された理由がわからず、驚きで瞳を見開いた女性はなぜかと問いかける。
(陛下が、私を見つけてくださって……。本当に、よかった……)
言い争う二人の姿をぼんやりと心ここにあらずな様子で見守っていたイブリーヌは、夫の姿を視界に捉え、安心して気が抜けたのだろう。
緊張の糸をぷつりと途切れさせ、その場に力なく崩れ落ちた。