呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「二度と、俺と妻に近づくなと警告したはずだが」
「オルジェント様は勘違いなさっておりますの! わたくしと生活をともにさえしてくだされば、その誤解が……!」
「アント公爵家との縁談が、進んでいるそうだな」
「ど、どうしてそれを……!?」
オルジェントは皇帝だ。
王族として、どの貴族が縁を結ぶかに関しても管理する必要があった。
(このような礼儀知らずと、長々話している時間がもったいないな……)
早く妻と二人きりになりたいと願った彼は、驚くアメリに冷徹な笑みを浮かべて宣言してみせた。
「ヘスアドス帝国で、俺に知らぬことなどない」
「わ、わたくしは! オルジェント様以外と、結婚なんてしませんわ!」
「貴様と俺の意思。どちらが尊ばれるべきか――適切な教育を受けたのなら、わかるだろう」
「しかし……!」
「貴様の処遇は、追ってテランバ公爵家に伝える」
「オルジェント様……!」
「三度目はないぞ」
オルジェントは苛立ちを隠せぬ様子で、イブリーヌを抱き上げたまま。
寝室に向かって歩き出した。
「オルジェント様は勘違いなさっておりますの! わたくしと生活をともにさえしてくだされば、その誤解が……!」
「アント公爵家との縁談が、進んでいるそうだな」
「ど、どうしてそれを……!?」
オルジェントは皇帝だ。
王族として、どの貴族が縁を結ぶかに関しても管理する必要があった。
(このような礼儀知らずと、長々話している時間がもったいないな……)
早く妻と二人きりになりたいと願った彼は、驚くアメリに冷徹な笑みを浮かべて宣言してみせた。
「ヘスアドス帝国で、俺に知らぬことなどない」
「わ、わたくしは! オルジェント様以外と、結婚なんてしませんわ!」
「貴様と俺の意思。どちらが尊ばれるべきか――適切な教育を受けたのなら、わかるだろう」
「しかし……!」
「貴様の処遇は、追ってテランバ公爵家に伝える」
「オルジェント様……!」
「三度目はないぞ」
オルジェントは苛立ちを隠せぬ様子で、イブリーヌを抱き上げたまま。
寝室に向かって歩き出した。