呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「皇命として受理する」
「ありがとうございます」
テランバ公爵は感情を押し殺した声で謝辞を述べると、書類を回収してから執務室を出て行ってしまった。
「陛下……!」
パタリと扉が閉まったのを確認した直後。
イブリーヌは夫に振り返り、異を唱えた。
その瞳は、どうして悪評の絶えない男爵の元へアメリを嫁がせるのかと訴えかけている。
「気に病む必要はない」
「で、ですが……っ」
「悪しき魂達に命じて、あの女を呪い続けるのと……。どちらがマシだ」
オルジェントに究極の二択を突きつけられたイブリーヌは、口を閉ざすしかなかった。
(あの子達は、きっと……)
女王の覚醒を促したことに、亡霊達が感謝をしてくれたらいいが――。
そもそもの始まりは、アメリが彼女を悲しませたことにある。
(男爵は一人だけど、亡霊達は数え切れないほどいる……。みんなが力を合わせたなら、彼女は一溜まりもない……)
いくら評判が悪いといえども、男爵は所詮人間だ。
できることはたかが知れているが、亡霊達は何をしでかすかわからぬ危うさがある。
唇を噛み締めたイブリーヌはそれ以上夫に異を唱えることが出来ず、こうしてアメリはデイス男爵の第5夫人となることが決定したのだった。
「ありがとうございます」
テランバ公爵は感情を押し殺した声で謝辞を述べると、書類を回収してから執務室を出て行ってしまった。
「陛下……!」
パタリと扉が閉まったのを確認した直後。
イブリーヌは夫に振り返り、異を唱えた。
その瞳は、どうして悪評の絶えない男爵の元へアメリを嫁がせるのかと訴えかけている。
「気に病む必要はない」
「で、ですが……っ」
「悪しき魂達に命じて、あの女を呪い続けるのと……。どちらがマシだ」
オルジェントに究極の二択を突きつけられたイブリーヌは、口を閉ざすしかなかった。
(あの子達は、きっと……)
女王の覚醒を促したことに、亡霊達が感謝をしてくれたらいいが――。
そもそもの始まりは、アメリが彼女を悲しませたことにある。
(男爵は一人だけど、亡霊達は数え切れないほどいる……。みんなが力を合わせたなら、彼女は一溜まりもない……)
いくら評判が悪いといえども、男爵は所詮人間だ。
できることはたかが知れているが、亡霊達は何をしでかすかわからぬ危うさがある。
唇を噛み締めたイブリーヌはそれ以上夫に異を唱えることが出来ず、こうしてアメリはデイス男爵の第5夫人となることが決定したのだった。