呪われた死神皇帝は、亡霊の愛し子に愛を囁けない
「待たせたな」
「いえ……」
二人の間には、気まずい沈黙が流れる。
(寒空の下で、食材を広げてもいいものか……)
悩むオルジェントの思考を読み取ったのだろう。
このまま口を挟まずにいたらいつまで経っても二人の関係が進展しないと危惧したシロムは、イブリーヌにある提案をした。
『イブリーヌの家は、もう少し奥にあると言っていたよね? 案内してくれないかい?』
先程までの美しい微笑みはどこへやら。
白猫の言葉を受けた彼女の表情が、みるみるうちに曇っていく。
イブリーヌは悲しそうに眉を伏せながら、か細い声で告げる。
「陛下のような高貴なる身分の方を、ご招待できるような場所ではありません……」
「君が普段、暮らしている場所なのだろう」
「それは、そうなのですが……」
「俺は確かに王族だが、君だって公爵家の令嬢だ。いくら他国の貴族であったとしても、酷い扱いを受けているのであれば、是正の必要がある」
「陛下……」
「俺は君の、力になりたいんだ」
オルジェントは背中に背負っていた大鎌の柄から手を離し、その指先を彼女に差し出した。
「いえ……」
二人の間には、気まずい沈黙が流れる。
(寒空の下で、食材を広げてもいいものか……)
悩むオルジェントの思考を読み取ったのだろう。
このまま口を挟まずにいたらいつまで経っても二人の関係が進展しないと危惧したシロムは、イブリーヌにある提案をした。
『イブリーヌの家は、もう少し奥にあると言っていたよね? 案内してくれないかい?』
先程までの美しい微笑みはどこへやら。
白猫の言葉を受けた彼女の表情が、みるみるうちに曇っていく。
イブリーヌは悲しそうに眉を伏せながら、か細い声で告げる。
「陛下のような高貴なる身分の方を、ご招待できるような場所ではありません……」
「君が普段、暮らしている場所なのだろう」
「それは、そうなのですが……」
「俺は確かに王族だが、君だって公爵家の令嬢だ。いくら他国の貴族であったとしても、酷い扱いを受けているのであれば、是正の必要がある」
「陛下……」
「俺は君の、力になりたいんだ」
オルジェントは背中に背負っていた大鎌の柄から手を離し、その指先を彼女に差し出した。