天使なのに、なぜか甘やかされています。
 世河(せがわ)くんは、はー、と息を吐くと、わたしの両手から花火が入ったビニール袋を取って代わりに持つ。


「よし、今から花火やるぞ」


 浜辺に転がっていたバケツに星谷(ほしや)くんが海水を入れ、
 袋から花火を5本ひかりちゃんが取り出して、わたしが1本ずつ配り、
 世河(せがわ)くんと清丘(きよおか)くんが火をつけていく。


 やがて、羽根のように火が広がり、
 パチパチと5本のスパーク花火が点滅しながら黄金色に輝いた。


 その花火は刺激的で、
 心を震わせ、
 わたしと世河(せがわ)くんの花火が近づく。

 花火の羽根が合わさり、まるで天使の翼のよう。


 それが嬉しくて天使オーラが出そうになり、慌てたわたしを見て、
 世河(せがわ)くんが、ふっ、と笑う。

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