溺愛してみたい君振り向かせたくて

第一話.予想外な展開

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 久しぶりの休暇だった。

 二十代の頃は、早く独立したく忙しない毎日だった。

 ちょうど三十歳になり念願だった独立を果たしたが、今も昔も変わらないところはある。

  今回は、仕事ばかりだと潤いがなさすぎると思った俺は、友人たちとのんびり飲み明かしたり、ゆっくりと海辺へ散歩にでもと思っていたのに。

 せっかくの一週間の休みなのに。

  父に頼まれ、大学の教授の顔を見に来たのが間違いだった。

  先日、仕事ばかりの俺にそろそろと見合いの席が設けられてしまった。

 まさか見合い相手の女性が、恩師と顔見知りだなんて。

  父は、乗り気のようだが俺は好みじゃない。

  確かに、モデル体型の艶ある美人。

  だが、高飛車で気位の高いキャリアウーマン。

  仕事ばかりの俺と、お似合いだと父は言っていたが。

 俺は、あの気の強そうな眼差しが好きになれなかった。

 だからこそ、俺は断ろうとしたのにーー。



 
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