溺愛してみたい君振り向かせたくて
第六話.攻略の先
1
『……祥君、きかないほうがいい。想い出は美しくあるべきだ』
春日教授は、押し黙っていたが不意にわけわからないことを言い出した。
「俺は、自分が知らないえみの現状を知りたい。何言ってもダメだよ」
俺は、引くつもりはなく、再度念を押した。
『どうしてもかい?』
「どうしても」
受話器から、大きな溜め息一つこぼれた。
「これ以上はやめてください。祥さん、私を帰してください」
唐突に、押し黙っていたがえみが口を挟んできた。
俺から逃れようと、抗いはじめる。
「えみは、大人しくしていて」
俺は、えみの身体を力強く強引に自分の胸元へ押さえつけた。
片腕とはいえ男の俺に敵うはずなく、えみは身動き取れなくなる。
「祥さん、お願いです。これ以上私には関わらないで下さい」
えみは、抗うことはやめたが苦しげに震えた声音で言ってきた。
「関わらないでって……。他に好きな男でもいるわけ?」
「い、いたら、こんなゲームに身を投じません!」
「ならば、俺に多少は感心あるのだろう? じゃあ、静かにしてなよ」
俺は、えみの言葉に安堵し、出来るだけ声音は優しげに言葉を紡ぐ。
『祥君は、横暴だな。どうしてえみに関わる男どもは、そうなのだろうか』
「それはどういう意味?」
『騙されてはいけないよ、祥君。この子は、見た目大人しそうに見えるが、かなりの悪女だ』
「悪女?」
『幼馴染の好きな男が手に入らないからと、寂しさに男を惑わせている。アメリカ留学の時、大和撫子の彼女に引っかかって、危うく昔からの婚約者と別れようとした男がいた。今もどうなっているか。その時に契約が危うくなり、今井家は被害被ったらしい』
教授は、神妙な声音で言ってくる。
だがそれは、俺にとって真実味は感じられなかった。
「本当かどうか、俺の耳にはまだ入ってないことだな。今の話きっちりと調べてから信用に値するか、考えてみるよ」
『祥君、私の言葉を信用しなさい。えみ君と関わってはいけない』
「ならばなぜ、俺に会わせた? それだと俺をバカにしているとしか思えないな」
俺は、皮肉気に声を低めて言う。
『そ、そんなつもりはない。あの時えみ君を気に入っていたから』
「俺のせいにするつもり? もしえみが悪女と言うならば、俺の父と仕事関係のあるあなたは、最初から会わせないだろう? 何をバカなこと言い出す?」
俺は、真実が知りたくて春日教授を追い詰めていく。
春日教授は、父と昔からの付き合いがある。
父は、主に出版関係のマネジメントをしている。
春日教授は、父と学生の時代の友人で昔から彼に懇意にして貰っていた。
息子である俺を貶めようとすることはありえないはずなのに、えみと会わせた。
最初から悪女とわかっているならば、こんなことするはずもない。
『祥君がまさか代理で謝りにきたえみ君を欲しがるとは、思わなかっただけだよ。大人で常識あるしえ君ならともかく、この子は何もわかっていないただの子供だ。やめたほうがいい』
「俺は、えみに興味が俄然湧いてきた。引くつもりはないね。何かあれば俺に紹介した春日教授が責任取ってくれるのだろう? 彼女の悪女ぶりをわかっていたくせに会わせた。そうだろう?」
俺は、皮肉たっぷりに言った。
『祥君……』
「俺としては、これ以上口を挟まないで欲しいけどね。俺自身えみこのことを何も知らないのに、他からいろいろ言われるのも何だかとてもむかつくし」
俺は、自分が気に入っているえみを、とやかく言われたくはないと感じている。
たとえ結果が悪女であっても、俺は引きさがるには、自分が女々しすぎると思うし、逆に好奇心が疼いてもいる。
『祥君、君は間違っている。この子に関わるのは』
「言っているだろうが。俺は引くつもりはない。俺の好奇心を煽りまくってるくせに、これ以上バカなこと言うな。俺の性格を知っているだろう? 黙って見守っていろ!」
しつこい春日教授に、俺は言葉を遮り声を荒げてインターホンを切ってしまった。
えみがびくりと大きく肩を震わせたが、俺はそれが演技だろうが、後悔はしていない。
えみのことが知りたかった。
最初に会った時から、ずっと。
えみは、俺のものだと、そんなことばかり考えていた。
春日教授に、誰かに何言われても、自分で確かめたい。
この心の衝動を。
『……祥君、きかないほうがいい。想い出は美しくあるべきだ』
春日教授は、押し黙っていたが不意にわけわからないことを言い出した。
「俺は、自分が知らないえみの現状を知りたい。何言ってもダメだよ」
俺は、引くつもりはなく、再度念を押した。
『どうしてもかい?』
「どうしても」
受話器から、大きな溜め息一つこぼれた。
「これ以上はやめてください。祥さん、私を帰してください」
唐突に、押し黙っていたがえみが口を挟んできた。
俺から逃れようと、抗いはじめる。
「えみは、大人しくしていて」
俺は、えみの身体を力強く強引に自分の胸元へ押さえつけた。
片腕とはいえ男の俺に敵うはずなく、えみは身動き取れなくなる。
「祥さん、お願いです。これ以上私には関わらないで下さい」
えみは、抗うことはやめたが苦しげに震えた声音で言ってきた。
「関わらないでって……。他に好きな男でもいるわけ?」
「い、いたら、こんなゲームに身を投じません!」
「ならば、俺に多少は感心あるのだろう? じゃあ、静かにしてなよ」
俺は、えみの言葉に安堵し、出来るだけ声音は優しげに言葉を紡ぐ。
『祥君は、横暴だな。どうしてえみに関わる男どもは、そうなのだろうか』
「それはどういう意味?」
『騙されてはいけないよ、祥君。この子は、見た目大人しそうに見えるが、かなりの悪女だ』
「悪女?」
『幼馴染の好きな男が手に入らないからと、寂しさに男を惑わせている。アメリカ留学の時、大和撫子の彼女に引っかかって、危うく昔からの婚約者と別れようとした男がいた。今もどうなっているか。その時に契約が危うくなり、今井家は被害被ったらしい』
教授は、神妙な声音で言ってくる。
だがそれは、俺にとって真実味は感じられなかった。
「本当かどうか、俺の耳にはまだ入ってないことだな。今の話きっちりと調べてから信用に値するか、考えてみるよ」
『祥君、私の言葉を信用しなさい。えみ君と関わってはいけない』
「ならばなぜ、俺に会わせた? それだと俺をバカにしているとしか思えないな」
俺は、皮肉気に声を低めて言う。
『そ、そんなつもりはない。あの時えみ君を気に入っていたから』
「俺のせいにするつもり? もしえみが悪女と言うならば、俺の父と仕事関係のあるあなたは、最初から会わせないだろう? 何をバカなこと言い出す?」
俺は、真実が知りたくて春日教授を追い詰めていく。
春日教授は、父と昔からの付き合いがある。
父は、主に出版関係のマネジメントをしている。
春日教授は、父と学生の時代の友人で昔から彼に懇意にして貰っていた。
息子である俺を貶めようとすることはありえないはずなのに、えみと会わせた。
最初から悪女とわかっているならば、こんなことするはずもない。
『祥君がまさか代理で謝りにきたえみ君を欲しがるとは、思わなかっただけだよ。大人で常識あるしえ君ならともかく、この子は何もわかっていないただの子供だ。やめたほうがいい』
「俺は、えみに興味が俄然湧いてきた。引くつもりはないね。何かあれば俺に紹介した春日教授が責任取ってくれるのだろう? 彼女の悪女ぶりをわかっていたくせに会わせた。そうだろう?」
俺は、皮肉たっぷりに言った。
『祥君……』
「俺としては、これ以上口を挟まないで欲しいけどね。俺自身えみこのことを何も知らないのに、他からいろいろ言われるのも何だかとてもむかつくし」
俺は、自分が気に入っているえみを、とやかく言われたくはないと感じている。
たとえ結果が悪女であっても、俺は引きさがるには、自分が女々しすぎると思うし、逆に好奇心が疼いてもいる。
『祥君、君は間違っている。この子に関わるのは』
「言っているだろうが。俺は引くつもりはない。俺の好奇心を煽りまくってるくせに、これ以上バカなこと言うな。俺の性格を知っているだろう? 黙って見守っていろ!」
しつこい春日教授に、俺は言葉を遮り声を荒げてインターホンを切ってしまった。
えみがびくりと大きく肩を震わせたが、俺はそれが演技だろうが、後悔はしていない。
えみのことが知りたかった。
最初に会った時から、ずっと。
えみは、俺のものだと、そんなことばかり考えていた。
春日教授に、誰かに何言われても、自分で確かめたい。
この心の衝動を。