溺愛してみたい君振り向かせたくて
3
「どうも」
俺は、思わず目の前の彼女に目を奪われてしまい、言葉少なげになってしまう。
「あの、しえ姉さんは用事で来れないみたいで、私がかわりに謝りに来ちゃったのです。せっかく大学までお越しいただいたのに、誠に申し訳ございません」
えみは、舌足らずな可愛らしい声でそう言い、再度深々と頭を下げる。
「いや。構わないが。ところで君はいくつ? 」
あまりにも幼げなえみの年齢が気になり、俺はきいてみた。
「十八です。今年大学一年生になりました」
「十八? それも大学生?」
どう見ても高校生にしか見えない。
あまりにも化粧けのない姿に、思わずききかえしてしまう。
「見えないだろう? 大人しい感じのくせに、結構行動派でね。高校時代から留学ばかりしている」
「へえ」
「十歳までアメリカで暮らしたこともあって、かなり優秀ではあるんだ」
うんうんと、教授が頷きながら褒めている。
珍しいことがあるものだ。
「ご苦労だったね。夏休みなのに」
「いえ。プールの帰りなのです。だからこんな格好ですいません」
「構わないけどね。へえ、泳ぐのが好きなの?」
「いえ、泳げないのです。だから練習していて」
「運動音痴だからな、君は」
教授は、よく知っているのか、苦虫を噛み締めながら、ぼやいている。
「海は好きですよ! 浮き輪で浮いているのも好きだし、釣りだってのんびりしていていいし」
「釣りをするの?」
「ええ。祖父の家が海が近いので。キスとか、小さな魚とかしか釣ったことはないですけど。のんびりと船に揺られながらって、幸せですよ」
「へえ、意外だなあ」
先日の勝気な瞳とは違う。
優しくておっとりとした笑顔に、俺は心惹かれるのを覚えた。
どこか遠い記憶が、穏やかな風とともに香り立ってくる。
「そうだ。明日ひま? 君でいいからさ、断ろうとしていたイヴェント、行ってみない?」
「え?」
俺は、どうしても知りたくなって誘ってみると、えみは目を丸くしている。
「海が好きなんだろう? バスツアーなんだ。のんびりと揺られて、小旅行を楽しむ。君を見ていると、それもたまにはいいかなあと、思えてきた」
「あの、それは私じゃなくて」
「彼氏とかいるの?」
断ろうとしたえみに、俺は口を挟んだ。
「い、いないけど」
「なら、いいよね? 俺は君がいいんだ」
俺は、まっすぐとえみの顔を覗き込んだ。
「どうも」
俺は、思わず目の前の彼女に目を奪われてしまい、言葉少なげになってしまう。
「あの、しえ姉さんは用事で来れないみたいで、私がかわりに謝りに来ちゃったのです。せっかく大学までお越しいただいたのに、誠に申し訳ございません」
えみは、舌足らずな可愛らしい声でそう言い、再度深々と頭を下げる。
「いや。構わないが。ところで君はいくつ? 」
あまりにも幼げなえみの年齢が気になり、俺はきいてみた。
「十八です。今年大学一年生になりました」
「十八? それも大学生?」
どう見ても高校生にしか見えない。
あまりにも化粧けのない姿に、思わずききかえしてしまう。
「見えないだろう? 大人しい感じのくせに、結構行動派でね。高校時代から留学ばかりしている」
「へえ」
「十歳までアメリカで暮らしたこともあって、かなり優秀ではあるんだ」
うんうんと、教授が頷きながら褒めている。
珍しいことがあるものだ。
「ご苦労だったね。夏休みなのに」
「いえ。プールの帰りなのです。だからこんな格好ですいません」
「構わないけどね。へえ、泳ぐのが好きなの?」
「いえ、泳げないのです。だから練習していて」
「運動音痴だからな、君は」
教授は、よく知っているのか、苦虫を噛み締めながら、ぼやいている。
「海は好きですよ! 浮き輪で浮いているのも好きだし、釣りだってのんびりしていていいし」
「釣りをするの?」
「ええ。祖父の家が海が近いので。キスとか、小さな魚とかしか釣ったことはないですけど。のんびりと船に揺られながらって、幸せですよ」
「へえ、意外だなあ」
先日の勝気な瞳とは違う。
優しくておっとりとした笑顔に、俺は心惹かれるのを覚えた。
どこか遠い記憶が、穏やかな風とともに香り立ってくる。
「そうだ。明日ひま? 君でいいからさ、断ろうとしていたイヴェント、行ってみない?」
「え?」
俺は、どうしても知りたくなって誘ってみると、えみは目を丸くしている。
「海が好きなんだろう? バスツアーなんだ。のんびりと揺られて、小旅行を楽しむ。君を見ていると、それもたまにはいいかなあと、思えてきた」
「あの、それは私じゃなくて」
「彼氏とかいるの?」
断ろうとしたえみに、俺は口を挟んだ。
「い、いないけど」
「なら、いいよね? 俺は君がいいんだ」
俺は、まっすぐとえみの顔を覗き込んだ。