溺愛してみたい君振り向かせたくて

第三話.料理イベント

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  えみは、思った以上に危なげで頼りなかった。

 のんびりというか、とろいというのか。
 
 凄くほっとけない。

 プライベートビーチの砂浜で、カップルだけで料理をすることになったのだが、本当危なっかしい。

 砂に足を取られて、えみは何度も転びそうになった。

 一人暮らしなので実家に住んでいる母親を、思い出さずにはいられない。

 ついつい手を引っ張ったり、抱きよせてしまいたくなる。

「私はどうしても抜けているらしくって。料理もうまくなくて」

 トレーナーであるレスキーの説明をきいたあとのこと、えみは申し訳なさそうに言ってきた。

 料理をすることは、事前に知らされてはいない。

 バスのハプニングよりもずっとえみの顔色が悪い理由、素直に言われてみてなぜだかわかった。

 「料理は嫌い?」

「嫌いではないです。ほとんど家政婦さんがします。料理は家庭科で習うくらいなのです」

「ならば、俺が教えてやるよ」

 正直に隠さず言ったえみに、俺は好感が持てていた。

「料理は得意なのですか?」

 えみの瞳が、キラーンと瞬く。

「得意ってほどじゃない。学生の頃、アウトドアが趣味でキャンプとか好きだった。今は一人暮らしだから」

 「ならば、ぜひぜひ教えてください」

 あまりにも嬉しそうな笑顔に、俺は思わずつられて笑ってしまった。


 
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