溺愛してみたい君振り向かせたくて
 2


 事前に貰ったテキストを見ながら、俺とえみは課題の料理を作りはじめる。

  えみは、いい助手とはいえず、とろとろしていて危なっかしい。

 それなのに、せっかちな俺なのに気にならない。

 のんびりと手取り足取りら教えることが出来た。

 どうしてえみは、イライラしないのだろう?

 素直で返事がいいから?

 目がキラキラしていて、こっちまで楽しくなってしまうせいだからなのかもしれない。

 

 考えていた以上に、料理は難しくはなかった。

 簡単なチキンのソテーと、ポトフ。

 あとコーンスローが、時間内に出来上がった。

 だが、久しぶりに料理をしたせいかもしれない。
  
 味付けを間違えたのか?

 ポトフに何かが足りなく、お互い首を傾げている。

 たかが料理なのに。

 一体何がいけないのだろうか?

 時間をあまらせるくらい、工程は見事に終了したのに、考えても考えても浮かばない。

「まあ、いっか。こんなもので」

 俺は、お遊びだしと諦めることにした。

「で、でも。せっかくだから、もったいないですし」

 えみは、まだ納得いかないのか瞳を曇らせている。

 思った以上に、えみはこだわりが強いのかもしれない。

 大人しい雰囲気のくせに、面白すぎる。

 俺としては、手取り足取り教えていたので、妙な密着感の方が一番気にはなっている。

 料理に集中しようと、高ぶる気持ちを逸らせようとしたけど。

 えみに興味がある以上、 なかなか難しいものがあった。

 基本的に女性は、俺は二十代前半で面倒になった。

 仕事に夢中だったし、擦り寄って来ても見なかったことにしていた。

 それなのに、どうして年下の幼げな子に興味を持ってしまうのだろうか?

 俺にとってえみは、とても不可思議な存在だった。
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