獣人姫は公爵家メイド──正体隠して仕えるも、次期公爵の想いには鈍感です
プロローグ:黒猫のお姫様
「ちょっと!こっち見ないでよっ‼︎不運が移るじゃないっ‼︎」
広い王宮のど真ん中で第二王女のウサギの獣人レイナが私を睨みながら叫んだ。
私は内心で「見ただけで移る訳ないだろうが」と呟き、その場を後にしようとした。
が、
「ちょっと!無視してるんじゃないわよっ‼︎」
とレイナが再び叫ぶ。
もうこうなったらいうしかない、と私は重い口を開く。
「あのねレイナ。私、これから父上に話があるから、そういうの後にしてくれるかしら。あと一応、馬鹿なあなたに教えてあげるけど、不運っていうのはね、見ただけで移るものじゃないのよ。」
私は腕を組みながら彼女にそう言い放った。
そして専属メイドのキツネの獣人リムリス(通称リム)も
「見ただけで不運が移るというなら、そちらがスピレ姫様の前に現れなければ良い話ですよね⁈」
と私に援護してくれる。
「わ、わたくしが馬鹿ですってーーー!!」
レイナが顔を真っ赤にして怒鳴る。
正直言って笑顔振り撒く天使のような顔が台無しだ。
「何よっ!不吉な黒猫のくせにっ!」とぶつぶつ言うレイナに目をくれず、私たちは国王である父上のいる王室の間の扉の前に立った。
すぐに衛兵が、
「第一王女様、どのような件で来られましたか?」
と多少ぴくつきながら、聞いた。
私は、
「早急に父上と話さなくてはいけない事があるから、開けてちょうだい」
と普段と変わらずに淡々と答える。
「かしこまりました。」
と衛兵が扉を開けた瞬間、周りの目が一斉にこちらを向いた。
今まで、何度も見てきた光景だが、相変わらず皆の視線とひそひそ声にはどうにか耐えている状況だ。
「雑魚種族の血を受け継いだ王女がなんのようかしら」
「この国の将来が心配になるな」という声がして、とっととここから立ち去りたいが、あと少しの辛抱である。
私とレイナはハーフだ。
レイナは接する人(私以外の)に対してコミュニケーション力に長けているハニーブランドの可愛いうさぎ。
さらには求婚する人が絶えないという噂もあるし、国の中にはファンクラブなるものが存在し、会員は1000人に到達しているらしい。
対して、私は不吉だと後ろ指を刺される地味な黒猫。
レイナに比べたら、使用人も少ないし、友達の令嬢もましても求婚者なんて一人も来たことがない。
全ては私の見た目のせいだ。
私が黒猫なのは、母の家系に黒猫が多いからか、両親の特徴を少しずつ受け継いだからのどちらかだろう(ピューマは猫科のためともいう)。
昔は本の中に『黒猫は避けて通れ』という言葉が存在するからレイナに嫌われていると思っていた。
しかし今から考えると正室の子どもの自分より、側室の子どもの方が年上で王位継承者第一位だというのが気に入らないのだろう。
とはいえ、使用人の中には好意的な人もいるので、それだけが救いだ。
母は亡くなってしまったが、父も差別をせず姉妹平等愛情を注いでくれるし、政治学や歴史、数学や各国の文字の読み書き等の教養をつけさせてくれたり、オーダーメイドのドレスや宝石なども普通に買ってくれる。
母の実家には裏社会との繋がりがあるという噂のある家の出なのに...という質問はいまでも謎だらけである。
実際私には母の記憶があまりない上に、母のクロスペルも知らないのが現状なのだが。
そんな家族思いの父に申し訳ないなと思いながら、私は父の前まで進み出た。
広い王宮のど真ん中で第二王女のウサギの獣人レイナが私を睨みながら叫んだ。
私は内心で「見ただけで移る訳ないだろうが」と呟き、その場を後にしようとした。
が、
「ちょっと!無視してるんじゃないわよっ‼︎」
とレイナが再び叫ぶ。
もうこうなったらいうしかない、と私は重い口を開く。
「あのねレイナ。私、これから父上に話があるから、そういうの後にしてくれるかしら。あと一応、馬鹿なあなたに教えてあげるけど、不運っていうのはね、見ただけで移るものじゃないのよ。」
私は腕を組みながら彼女にそう言い放った。
そして専属メイドのキツネの獣人リムリス(通称リム)も
「見ただけで不運が移るというなら、そちらがスピレ姫様の前に現れなければ良い話ですよね⁈」
と私に援護してくれる。
「わ、わたくしが馬鹿ですってーーー!!」
レイナが顔を真っ赤にして怒鳴る。
正直言って笑顔振り撒く天使のような顔が台無しだ。
「何よっ!不吉な黒猫のくせにっ!」とぶつぶつ言うレイナに目をくれず、私たちは国王である父上のいる王室の間の扉の前に立った。
すぐに衛兵が、
「第一王女様、どのような件で来られましたか?」
と多少ぴくつきながら、聞いた。
私は、
「早急に父上と話さなくてはいけない事があるから、開けてちょうだい」
と普段と変わらずに淡々と答える。
「かしこまりました。」
と衛兵が扉を開けた瞬間、周りの目が一斉にこちらを向いた。
今まで、何度も見てきた光景だが、相変わらず皆の視線とひそひそ声にはどうにか耐えている状況だ。
「雑魚種族の血を受け継いだ王女がなんのようかしら」
「この国の将来が心配になるな」という声がして、とっととここから立ち去りたいが、あと少しの辛抱である。
私とレイナはハーフだ。
レイナは接する人(私以外の)に対してコミュニケーション力に長けているハニーブランドの可愛いうさぎ。
さらには求婚する人が絶えないという噂もあるし、国の中にはファンクラブなるものが存在し、会員は1000人に到達しているらしい。
対して、私は不吉だと後ろ指を刺される地味な黒猫。
レイナに比べたら、使用人も少ないし、友達の令嬢もましても求婚者なんて一人も来たことがない。
全ては私の見た目のせいだ。
私が黒猫なのは、母の家系に黒猫が多いからか、両親の特徴を少しずつ受け継いだからのどちらかだろう(ピューマは猫科のためともいう)。
昔は本の中に『黒猫は避けて通れ』という言葉が存在するからレイナに嫌われていると思っていた。
しかし今から考えると正室の子どもの自分より、側室の子どもの方が年上で王位継承者第一位だというのが気に入らないのだろう。
とはいえ、使用人の中には好意的な人もいるので、それだけが救いだ。
母は亡くなってしまったが、父も差別をせず姉妹平等愛情を注いでくれるし、政治学や歴史、数学や各国の文字の読み書き等の教養をつけさせてくれたり、オーダーメイドのドレスや宝石なども普通に買ってくれる。
母の実家には裏社会との繋がりがあるという噂のある家の出なのに...という質問はいまでも謎だらけである。
実際私には母の記憶があまりない上に、母のクロスペルも知らないのが現状なのだが。
そんな家族思いの父に申し訳ないなと思いながら、私は父の前まで進み出た。
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