獣人姫は公爵家メイド──正体隠して仕えるも、次期公爵の想いには鈍感です
第一部
第一章:彼女は自ら敵国へ
「私を敵国のラビリスゲルに人質として送っていただけませんか?」
私の澄んだ声が響き、その場にいた人はざわつき始めた。
現国王である父上は驚きと困惑が混ざったような顔でオドオドしながら、聞いた。
「ス、スピレ!いきなり何を言い出すんだ?不満があればなんでも言え。私の権力でなんとかする!」
この言葉を期待していた私は笑顔でこう返す。
「いえ、父上。私には不満などございません。この国から厄介払いの元凶として責任を持っているだけですわ。」
しかし父上は「うーむ」と唸っている。
私はさらに大声で言葉を続ける。
「父上!私のような黒猫はこの国では不運だの、気味悪いだの言われて嫌われていることはご存知でしょう?!もっと言うなら、今朝もレイナに『不運が移るからこっちを見るな』とまで言われたのですよ‼︎」
父上はそれを聞いた後、周りの貴族を見渡した。
「お主らはどう思う?」
すると、賛否両論の意見が上がった。
まず賛成したのはレイナの実母で正室のリーファ様の実家、アルパス公爵家とその取り巻きたちだった。
王女が2人しかいない以上、年齢的に私が父の後を継ぎ女王になるのが嫌だということは有名な話だ。
私がこの国からいなくなればレイナが女王として国を収めることになるので、それを狙っているのだろう。
一方で反対したのは、私を昔から可愛がってくれた父方の叔母が嫁いだパルメダン公爵家とその取り巻きたちだった。
彼らは差別や偏見を嫌うのが理由だろう。
その時、「彼女が可哀想だと思わないのか」と今にも襲いかからんとばかりに、パルメダン家現公爵が怒鳴った。
そのままでは、内乱が起きると察した私は、それにも負けない声ではっきりと言った。
「この場を借りてもう一度言わせていただきます。私を敵国のラビリスゲルに人質の証として送っていただけませんか?」
その場は静寂に包まれ、誰も何も言わなかった。
「それでは皆様、ご機嫌よう」
私はそう言ってリムを連れてその場を後にした。
部屋へ帰る道すがら、頭の中で悶々と何を持っていこうか考えた。
(お母様の写真と貯め続けたお小遣い、それと宝石と…。あっあれも持っていこうかしら)
その時、頭に丸めた紙が当たった。
投げられた方を見るとレイナがニヤニヤしながらこっちをみている。
「お・ね・え・さ・ま〜⭐︎聴いたわよー野蛮なラビリスゲルに追放されるんですって?」
それを聞いてレイナのメイド、リリヤとエルミラもクスクス笑った。
それを見てブチギレたのは、他でもないリムだった。
「ちょっと、あんたら。たかがメイドのくせに何笑ってんの?てか弱いからって他の人の影に隠れるなんてだっさ。私はあんたらみたいな性格ブスとは、一生関わりたくないわ〜」
これに二人は怒りで顔を真っ赤にしながら、手を振り上げる。
「「このっ!平民のくせにっ‼︎」」
しかし、二人の平手打ちはリムではなく本人に当たって二人は吹っ飛んだ。
リムがクロスペルを発動したのだ。
リムがふふんと口元を上げながら言う。
「あんたら凡人が私を倒すなんて100億年早いわ‼︎出直してきたらどうかしら〜?」
レイナが負けじと言い返す。
「ふん!クロスペルが使えるからってド平民の田舎娘に変わらないじゃない‼︎」
「「おっ、覚えていなさいよっ‼︎」」
リリヤとエルミラは捨て台詞を残してるんるんで歩き出すレイナと共に去っていった。
嵐が過ぎ去った...と同時に私はリムにこう言った。
「リム。あの人達を連れてきて。」
「かしこまりましたっ‼︎」
リムは笑顔で走り去っていった。
数分後、私は私に味方してくれる使用人達にこれまでのことを話した。
みんな驚いたり、怒りで震えたりしていたけれどリムとなんとかなだめて、今後どうするのか聞いた。
「みんな。どちらにするか自分で選んで。私は恨んだりしないから。」
すると全員が『スピレ姫と隣国に行くっ‼︎』と返事してくれた。
「じゃあみんな荷物持ってあの場所に集合ね。時間は後で知らせるから。」
みんなが足早に去っていき、部屋には私とリムだけが残された。
そして彼女は私が引き出しから出した美しい紋様の入った金属の箱を見つめた。
「スピレ様。それいつ開くのかわからないのに持っていくんですか?」
「お母様の形見だしね。お守り代わりにもなるだろうし。」
私はそう答えて、バッグにしまった。
私は仲間にしかわからない方法で時間を伝える。
そして、誰もいないのを見計らってこっそり城を後にしたのだった。
私の澄んだ声が響き、その場にいた人はざわつき始めた。
現国王である父上は驚きと困惑が混ざったような顔でオドオドしながら、聞いた。
「ス、スピレ!いきなり何を言い出すんだ?不満があればなんでも言え。私の権力でなんとかする!」
この言葉を期待していた私は笑顔でこう返す。
「いえ、父上。私には不満などございません。この国から厄介払いの元凶として責任を持っているだけですわ。」
しかし父上は「うーむ」と唸っている。
私はさらに大声で言葉を続ける。
「父上!私のような黒猫はこの国では不運だの、気味悪いだの言われて嫌われていることはご存知でしょう?!もっと言うなら、今朝もレイナに『不運が移るからこっちを見るな』とまで言われたのですよ‼︎」
父上はそれを聞いた後、周りの貴族を見渡した。
「お主らはどう思う?」
すると、賛否両論の意見が上がった。
まず賛成したのはレイナの実母で正室のリーファ様の実家、アルパス公爵家とその取り巻きたちだった。
王女が2人しかいない以上、年齢的に私が父の後を継ぎ女王になるのが嫌だということは有名な話だ。
私がこの国からいなくなればレイナが女王として国を収めることになるので、それを狙っているのだろう。
一方で反対したのは、私を昔から可愛がってくれた父方の叔母が嫁いだパルメダン公爵家とその取り巻きたちだった。
彼らは差別や偏見を嫌うのが理由だろう。
その時、「彼女が可哀想だと思わないのか」と今にも襲いかからんとばかりに、パルメダン家現公爵が怒鳴った。
そのままでは、内乱が起きると察した私は、それにも負けない声ではっきりと言った。
「この場を借りてもう一度言わせていただきます。私を敵国のラビリスゲルに人質の証として送っていただけませんか?」
その場は静寂に包まれ、誰も何も言わなかった。
「それでは皆様、ご機嫌よう」
私はそう言ってリムを連れてその場を後にした。
部屋へ帰る道すがら、頭の中で悶々と何を持っていこうか考えた。
(お母様の写真と貯め続けたお小遣い、それと宝石と…。あっあれも持っていこうかしら)
その時、頭に丸めた紙が当たった。
投げられた方を見るとレイナがニヤニヤしながらこっちをみている。
「お・ね・え・さ・ま〜⭐︎聴いたわよー野蛮なラビリスゲルに追放されるんですって?」
それを聞いてレイナのメイド、リリヤとエルミラもクスクス笑った。
それを見てブチギレたのは、他でもないリムだった。
「ちょっと、あんたら。たかがメイドのくせに何笑ってんの?てか弱いからって他の人の影に隠れるなんてだっさ。私はあんたらみたいな性格ブスとは、一生関わりたくないわ〜」
これに二人は怒りで顔を真っ赤にしながら、手を振り上げる。
「「このっ!平民のくせにっ‼︎」」
しかし、二人の平手打ちはリムではなく本人に当たって二人は吹っ飛んだ。
リムがクロスペルを発動したのだ。
リムがふふんと口元を上げながら言う。
「あんたら凡人が私を倒すなんて100億年早いわ‼︎出直してきたらどうかしら〜?」
レイナが負けじと言い返す。
「ふん!クロスペルが使えるからってド平民の田舎娘に変わらないじゃない‼︎」
「「おっ、覚えていなさいよっ‼︎」」
リリヤとエルミラは捨て台詞を残してるんるんで歩き出すレイナと共に去っていった。
嵐が過ぎ去った...と同時に私はリムにこう言った。
「リム。あの人達を連れてきて。」
「かしこまりましたっ‼︎」
リムは笑顔で走り去っていった。
数分後、私は私に味方してくれる使用人達にこれまでのことを話した。
みんな驚いたり、怒りで震えたりしていたけれどリムとなんとかなだめて、今後どうするのか聞いた。
「みんな。どちらにするか自分で選んで。私は恨んだりしないから。」
すると全員が『スピレ姫と隣国に行くっ‼︎』と返事してくれた。
「じゃあみんな荷物持ってあの場所に集合ね。時間は後で知らせるから。」
みんなが足早に去っていき、部屋には私とリムだけが残された。
そして彼女は私が引き出しから出した美しい紋様の入った金属の箱を見つめた。
「スピレ様。それいつ開くのかわからないのに持っていくんですか?」
「お母様の形見だしね。お守り代わりにもなるだろうし。」
私はそう答えて、バッグにしまった。
私は仲間にしかわからない方法で時間を伝える。
そして、誰もいないのを見計らってこっそり城を後にしたのだった。