コドカレ。



「お、お前も……?」

俺1人じゃない事に少し安堵する。


「ジュース持ってくるって言って、あの後、トイレの個室入ってさ」

「お、おう」

「キスされた」

「……他には?」

「ベロ入れられた」

「……」

「何か教えて欲しい事あるかって聞かれて……」

「……」

「俺……俺、おっぱい見せて貰っちゃった!」

俺の目の前で立って小さな声で話すヒロキの顔は真っ赤で、興奮していて、それが事実なのだと物語っている。

ヒロキは一息ついて、落ち着いてから口を開く。


「それで、俺、反応しちゃってさ……」

「……」

「情けないけど、からかわれながら一緒に個室にこもってたんだ」

「そ、……そうなんだ」

言えない……。
ヒロキにも、なんとなく言えない。


「ヤマトは?」

「え?」

「何された?」

「俺も……そんな感じ」

「そっか」

ヒロキはまた溜め息をついて話を続ける。


「女心知れればなんて思って、アッサリついてっちゃったけど」

「……」

「まさか、あんな訳分かんねー女子高生だと思わなかった」

「……」

「内緒な。今日の事は2人の秘密だかんな!」

訳の分からない女子高生について行って、何か変な事されちゃいました、なんて……。
こんな事、誰にも言えない。


現にヒロキにも言えねーし、ヒロキ自身も誰にも言いたくないから秘密という事になった位だ。

俺取り返しのつかねー事しちまったんじゃねーの?

駄目だ。俺自身に知識が無さすぎる。

でも多分きっとあれは――、



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