コドカレ。



最低(さいってー)だと思わない?」

放課後の教室に私の声が響き渡る。


「アヤは本当、男運がないよねー」

なんて小さな息を吐くのは、同じクラスメートの親友のメグ。
癖っ毛の髪を毎朝巻く私からして、憧れのロングのストレート、そしてかなりの美人ときた。


「ちょっとさー、顔が良いからって調子に乗んなっての!」

「アヤは面食いだもんね」

「メグはブサメンとキス出来んの?」

「あー、無理無理」

「でしょぉ?」

「はぁ、でもさぁ。顔のいい男に性格まで求めるのは難しいのかねー」

メグの言っている事も一理あるのだろうけど。

でも顔が良いのは第一条件でしょ?


「でも、確かに。今はロクな男いないよねぇ」

そう続けてメグは口元に人差し指を当てて少し考え込む仕草をみせる。

確か、メグ自身も先月 彼氏(元)に浮気をされたばっかりで。
そりゃもー殺人騒ぎになだめんのが大変だったよな。なんて思い出して、苦笑いが漏れた。

そんなメグが笑顔でひらめいたように口を開いて、


「ねぇ、アヤ。いい男がいないんだったらさ……」

「うんうん!!」


「育てちゃえばいいんじゃない?」

なんて耳を疑うような言葉を続けた。




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