私は今日女になる
「大田。後で、相談がある。」

「ああ。」

大田は同期の中でも、比較的話しやすい奴だった。

彼なら、もしかして私の処女を奪ってくれるかもしれない。


会議が終わり、私は先に会議室を出た大田を引き留めた。

「相談って、ここで?」

「ああ、悪い。」

会議室には、誰もいない。

私は大田を会議室に入れると、鍵をかけた。

「相談って何?」

「あのさ、大田は今彼女いる?」

「いないけど?」

よかった。こいつに目をつけておいて。

すると大田はテーブルに座った。

「恋愛の相談?」

「ん?」

これは絶好のチャンスかも。このノリでいけるかもしれない。

「うん……」

恥じらいながら、一歩大田に近づいた。

「……狙っている人がいるんだけど。

「へえ。」

「どうすれば、一線を越えられるのかなって。」
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