超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
「もちろん、オレもだよ」

アンセムは嬉しくてたまらない。
今日のテラスはいつになく甘い。

「どこかに出るか?」

アンセムは立ち上がった。

「う、うん…」

テラスも立ち上がる。

「どこがいいかな。テラスと一緒に堂々と歩けるなんて感激だよ」

と言いながらドアへ向かうアンセム。

「アンセム」

テラスは呼び止めた。

「ん?」

足を止めるアンセム。

「あの、え~と…」

テラスは何か言いづらそうにしている。

「どうしたんだ?」

「あの、ね、その…」

そしてテラスはアンセムに寄り添うように近づいて見上げた。

(どうしちゃったんだろう、私…)

今は2人きりでいたかった。
アイリが言ったことに影響を受けたのだろうか。
テラスに見つめられて、アンセムは戸惑った。
再び鼓動が速くなる。
テラスは勇気を振り絞って言った。

「もう1回、キスしてほしいなって」

言ってしまってから恥ずかしくて逃げ出したくなった。
アンセムはそんなテラスが愛しくてたまらない。
肩を抱き、触れるだけの短いキスをした。
これ以上は危険である。

「とりあえず行こう」

テラスを促したが、服の袖を握られた。

「テラス?」

「もっとがいい」

「えっ!?」

テラスの発言に驚くアンセム。

「いや、もうこれ以上はマズイから」

せっかく仲直りできたのに、また恐怖で泣かせてしまうことは避けたかった。

「………大丈夫だから」

しかし、テラスは離れてくれない。

「大丈夫じゃないんだよ」

アンセムは頭を抱えた。
それでも、テラスはアンセムともっとキスがしたかった。
こんな気持ち初めてだった。離れたくないのだ。
どうすれば良いのかこの気持ちを。
アイリの言葉が反芻する。
セックスとは、そういった気持ちの先にあるものだと。
テラスはアンセムに抱き付いた。
< 217 / 346 >

この作品をシェア

pagetop