【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
 これはもしや何かを企んでいるのではないかと、不審そうな視線を向けられても、そう思うのもおかしくないわよねと納得し、私は涙を流しながらうんうんと頷くばかりである。

 だって、モニカはこれまでずっと、ウィリアムを虐めて来た。

 こうして彼を油断させたところに、また酷い言葉を投げつけられてしまうのではないかと、警戒していても無理はない。

 悲しい。もちろん、私がしたことではないけれど、それがどれだけ酷いことだか、この私には理解出来てしまうから。

「……あの! ウィリアム様、お願いがあるんです!」

 泣いていた私がいきなり放った言葉に、驚きを隠せないウィリアムは眉を寄せ一歩引いた。

「なっ……なんだよ。内容によるっ……」

 今までひどいことしてきたいじめっ子の私のお願いを、内容によっては聞いてくれるんだ……え。待って。性格が良い子過ぎない? いえいえ。元々ウィリアムは優しくて寛大で、完璧なヒーローだと言えてしまう人だけど。

 ううん。そんな場合でもないわ。これって、私にとっては、とっても重要なことだもの。

「頭の毛玉、取らせてください!」

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