大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 セシリアが子どもだから、ずけずけと聞いてくるのだろう。もちろんセシリアは駆け引きなどできずに、馬鹿正直に言葉にする。
「なるほどな。王太子ジェラルドがバカだというのはよくわかった。あと、イライザという女か? まあ、エレノアを捨ててそいつを選んだというのなら、そいつには何か特別な魅力があるのか?」
 あやうく「聖女だからです」と言いそうになったセシリアは、その言葉を呑み込んだ。謎の記憶については、決してほかの人には言わないようにと父親からきつく言われているし、まだイライザが聖女だという話も聞こえてこない。
「セシリア~。お腹が空いた~」
 そこにモリスがやってきた。
「あれ? お客様?」
「ええと、こちらはロックウェル王国のシング公爵に仕えている従者の方」
 シオンが第二王子だというのは秘密なのだ。
「はぁ? バカ王子じゃん」
「げ、賢者のばばぁ。おまえ、アッシュクロフの王都に行くって言っていたよな? なんでここにいるんだ」

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