大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 エレノアにとってみれば、気づいたら話し相手になってくれていた精霊。その精霊と契約を結ぶことで、その精霊は一生、側にいる。相手が人間であれば結婚のようなものだろう。ただ、一度契約をした精霊は、どちらかの命が尽きるまで離れられないのが結婚とは異なるところ。つまり、離婚はできない。
 学園に通う十二歳前後に契約をするのは、精霊との付き合い方を学び、契約の重要性がわかった頃に、という考え方があるためだ。
 だから、他の魔法貴族からは、五歳のエレノアが風の精霊との契約をするのはまだ早いと止められた。特にシンシアが国内有数の水魔法の使い手であるため、母親の実家であるコナハン侯爵家は難色を示したらしいが、それを説得したのもシンシアだった。
 また、密かに期待されているのが、今は風の精霊との契約のみだが、成長するにつれ水の精霊とも契約ができるかもしれないという、二属性の契約。そうなれば使える魔法も二属性となる。
 離婚できないから重婚が認められている。そういった感覚に近いのだろう。
 そのため五歳で風の精霊と契約をし、風魔法の使い手となったエレノアには、二属性契約の期待も寄せられていた。
 そんな理由もあって、学園入学と同時に、今の王太子であるジェラルドに見初められたのだ。断れない打診を受け、エレノアはジェラルドと婚約を結んだ。
「エレノアは、しっかりしているように見えて、どんくさいところがあるよな」
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