大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
父親は愛娘二人を抱き寄せ、頬ずりをする。
「お父様……うっ……」
「お父さま、苦しいです……」
「あなた。セシリアはまだしもエレノアは成人を迎えたのです。いくら娘でも、もう少し節度をもって接してください」
母親の冷静な声で、興奮しきっている父親も我に返る。
「す、すまない。おまえたちの顔を見たら安心してしまった。エレノア、おめでとう。というのも変だが……無事、ジェラルド殿下との婚約解消が認められた」
「本当ですか?」
「ああ。本当に少ない慰謝料を提示してきやがったから『娘にはこれしか価値がないのかと思って、憤っていたところです』とまで言ってきた。ついでに、外交大臣も辞めてきた」
ははははは……とケアード公爵は豪快に笑う。
「お姉さま。大臣とはそんな簡単に辞められるものなんですか?」
セシリアがこっそりと尋ねてみたが、エレノアもよくわからないとでも言うかのように、ゆるりと首を横に振るだけだった。
「お父様……うっ……」
「お父さま、苦しいです……」
「あなた。セシリアはまだしもエレノアは成人を迎えたのです。いくら娘でも、もう少し節度をもって接してください」
母親の冷静な声で、興奮しきっている父親も我に返る。
「す、すまない。おまえたちの顔を見たら安心してしまった。エレノア、おめでとう。というのも変だが……無事、ジェラルド殿下との婚約解消が認められた」
「本当ですか?」
「ああ。本当に少ない慰謝料を提示してきやがったから『娘にはこれしか価値がないのかと思って、憤っていたところです』とまで言ってきた。ついでに、外交大臣も辞めてきた」
ははははは……とケアード公爵は豪快に笑う。
「お姉さま。大臣とはそんな簡単に辞められるものなんですか?」
セシリアがこっそりと尋ねてみたが、エレノアもよくわからないとでも言うかのように、ゆるりと首を横に振るだけだった。