【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
(……もう、怒鳴りに行くのはやめたほうがいいのよね)

 それはわかっている。だけど、これもすべてギルバートの幸せを守るためなのだ。……私は、あの子のことを『弟のように』思っているから。

 私の実家、ペルシュケ伯爵家から守るためには、私が行動に移すしかない。

(私が、あいつを守るの。シェリルさんのことも、しっかりと守らなくては)

 ぎゅっと手のひらを握りしめる。

(嫌われたっていい。憎まれたっていい。……私は、あいつのことを何が何でも守る。それが、リシェルへの償いだから)

 リシェルが亡くなって、絶望した私を支えたのはギルバートだった。……多分、あいつは覚えていないけれど。

 きっと、あいつの中では私との日々は忌々しい記憶で、思い出したくもないことなのだ。

 それくらいわかる。そう思われても当然なことを、してきたのだから。

(……でも、少しくらい。……シェリルさんを心配することくらい、許してほしいの)

 あの子は、リシェルにそっくりだから。……私に心配されるのは嫌かもしれない。

 だけど、どうか。

(神様、あの二人の幸せを、壊さないでください。……私は、どうなっても構わないから)

 それだけが、私の願いだ。
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