【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「旦那様は、ずっと奥様に付きっきりだったのですよ! 夜なんて、ずっとお眠りにならず……」
「おい!」

 ……新人のこの子は、とてもおしゃべりだ。

 その所為か、旦那様が隠そうとされていたことをぺらぺらと話してしまう。……まぁ、この子、十三歳でまだまだ子供だし、仕方がないのかもしれないけれど。

(少し、注意したほうがいいのかもしれないわ)

 今回はこのお屋敷でのことだから、問題ないけれど。

 いや、もしかしたら旦那様にとっては問題ないことじゃないのかもしれない。

「ジャスミン。……少し、喉が渇いてしまったの。冷たいお水を取ってきてくれる?」
「あっ、かしこまりました!」

 私の言葉に、ジャスミンはてきぱきと動いてくれる。行動が早いのは、あの子の長所だ。そういうところを、伸ばしてあげたほうがいいのかもしれない。

「ジャスミンは、行動が早くて助かります」
「……そうか。あの侍女はそそっかしいとサイラスが苦言を零していたが……」
「でも、私は好きですよ」

 どうやら、サイラスはジャスミンに対していろいろと思っていることがあるらしい。まぁ、実際そそっかしいし……。

「あの子とお話していると、元気がもらえます。……今は、まだいろいろと覚えることが多いらしくて、失敗談がほとんどですが……」
「……そうか」

 なんだか呆れられてしまったかも……とまで思って、ハッとする。

 今の今まで普通にお話しているけれど、旦那様は寝ずに私の看病をしてくださっていたらしい。

 カーテンのかかった窓を見つめると、もうすっかり太陽が昇っている。……もしかして、ほぼ一日中眠っていた?
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