【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「あ、あの、いろいろと、申し訳ございません……!」

 訓練のスケジュールとかも、めちゃくちゃになってしまった。

 そういう意味を込めて謝罪をすれば、旦那様はゆるゆると首を横に振られた。どうやら「気にするな」とおっしゃりたいらしい。

「そういうこともある。……それに、俺はシェリルの身体のほうが心配だ」
「……旦那様」
「儀式にかかる負担が、少しでも軽くなるように、いろいろと手配中だ」

 少し視線を逸らされて、旦那様がそうおっしゃる。

 ……そういえば、旦那様にはいろいろと伝手があるのよね。

「辛かったら、いつでも言ってくれ」

 その後、旦那様が小さな声でそう言ってくださった。驚いて、目をぱちぱちと瞬かせてしまう。

「その、なんだな。……シェリルの決めたことだ、今更俺が反対することはない」
「……はい」
「でも、愚痴くらい吐きたくもなるだろう。……口止めされれば、誰かに零すこともない」
「……はい」
「俺は、これくらいでしか力になれないからな」

 旦那様はそうおっしゃるけれど、実際は本当に私の力になってくださっている。

 このお方がいないと、私はここまで頑張ろうなんて思わなかっただろう。……生きて帰りたいと、ここまで思わなかったはずだ。

「旦那様」
「……あぁ」
「私のためにいろいろとしてくださって、感謝しております」

 出来る限り笑って、そう言葉を発する。すると、旦那様は頬をほんのりと赤くされた。……照れていらっしゃるのね。

「あのですね、旦那様。私――」

 そして、私が自分の気持ちを伝えようとしたとき。ふと、廊下がバタバタと騒がしくなる。

 驚いていれば、扉が開いてサイラスが顔を出した。

「旦那様! 至急、お話がございます!」
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