セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
第一章 目覚めたら、そこは一年後だった
鍵を差し込む前に、なぜか内側から開いていくドア。
今日はいないと言っていたはずなのにおかしい。
志歩はそう思いつつも、中から出てくるであろう彼に向かって、微笑みを浮かべてその名を呼びかける。
「俊也。ご飯作りに……っ!?」
目の前に広がる光景に思わず息を呑んだ。
開かれたドアの先に立っているのは期待通りの人物。須藤俊也。
けれど、志歩の恋人であるはずの彼の腕には見知らぬ女が。ピタリと寄り添う体と気だるげな表情が、先ほどまでその行為に耽っていたことを物語っている。
まるで彼らが恋人であると言わんばかりの親密な距離感。
本来そこは志歩の場所で、ほかの誰のものでもないはずなのに、なぜか志歩が邪魔者であるかのような気持ちになる。
きっと俊也の志歩に向ける表情が嫌悪感に溢れているせいだろう。
次に彼から放たれた言葉がそれを裏付ける。
「ちっ、なんで来るんだよ」
「なんでって……」
ショックを受け、呆然とする志歩を俊也はグイっと押しやり、女と共に部屋を出て行く。
弁明も謝罪も何もなく、志歩の存在そのものを無視しているかのような俊也の行動に強く胸が痛んだ。
「俊也っ、待って!」
慌てて俊也を追いかける。
「はあーっ、何だよ」
「どういう、こと……?」
「見ればわかるだろ。お前とはもう終わりなんだよ。邪魔だからどっか行ってくれ」
「終わりって……なんで? どうして? 俊也!」
志歩を無視して再び歩き出す俊也の腕を強くつかむ。
「ちっ、放せよ!」
「っ!?」
腕を強く振り払われた衝撃で体が傾ぐ。真後ろにはアパートの外階段。
自分の体がゆっくりと落ちていく感覚を覚えた。
今日はいないと言っていたはずなのにおかしい。
志歩はそう思いつつも、中から出てくるであろう彼に向かって、微笑みを浮かべてその名を呼びかける。
「俊也。ご飯作りに……っ!?」
目の前に広がる光景に思わず息を呑んだ。
開かれたドアの先に立っているのは期待通りの人物。須藤俊也。
けれど、志歩の恋人であるはずの彼の腕には見知らぬ女が。ピタリと寄り添う体と気だるげな表情が、先ほどまでその行為に耽っていたことを物語っている。
まるで彼らが恋人であると言わんばかりの親密な距離感。
本来そこは志歩の場所で、ほかの誰のものでもないはずなのに、なぜか志歩が邪魔者であるかのような気持ちになる。
きっと俊也の志歩に向ける表情が嫌悪感に溢れているせいだろう。
次に彼から放たれた言葉がそれを裏付ける。
「ちっ、なんで来るんだよ」
「なんでって……」
ショックを受け、呆然とする志歩を俊也はグイっと押しやり、女と共に部屋を出て行く。
弁明も謝罪も何もなく、志歩の存在そのものを無視しているかのような俊也の行動に強く胸が痛んだ。
「俊也っ、待って!」
慌てて俊也を追いかける。
「はあーっ、何だよ」
「どういう、こと……?」
「見ればわかるだろ。お前とはもう終わりなんだよ。邪魔だからどっか行ってくれ」
「終わりって……なんで? どうして? 俊也!」
志歩を無視して再び歩き出す俊也の腕を強くつかむ。
「ちっ、放せよ!」
「っ!?」
腕を強く振り払われた衝撃で体が傾ぐ。真後ろにはアパートの外階段。
自分の体がゆっくりと落ちていく感覚を覚えた。
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