セカンドマリッジ ~病室で目覚めたら、夫と名乗るイケメン社長との激甘夫婦生活が始まりました~
 自宅に帰った後、志歩は絶対に今日のうちに悟と話すと強く意気込んでいたものの、時間が経つうちにその勢いはしぼんでいく。

 話そう、話そうと思いながらもなかなか言い出せず、とうとうベッドの上まで来てしまった。

 悟が照明のスイッチに手を伸ばそうとしているのを見て、これがラストチャンスだと、志歩は己を奮い立たせる。

「悟さん! あの、少し話をしてもいいですか?」

 志歩の問いかけで、悟の手はスイッチから離れる。

「もちろん。何かあった?」
「いえ、何かがあったわけではないんですけど、悟さんに訊きたいことがあって」
「訊きたいこと? 何かな? 何でも訊いていいよ」

 悟は志歩の方を見ながら、にこにこと微笑んでいる。

 とりあえずきっかけは作ったものの、質問のしかたを考えていなかったから、切り出し方に悩む。

 言い方を間違えると悟に嫌な思いをさせてしまうかもしれない。

 悟は本当に志歩を好きなのかとか、志歩はなぜ悟と結婚したのかとか、そんな質問はだめだ。もっとシンプルで客観的でなければ。

 そう考えた結果、志歩の口から出た質問はものすごく中途半端なものになってしまった。
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