【企】SNOW KISS
「ラッピング、お願いします」
あたしはそう言って、店員さんに包装をお願いした。
店員さんは、慣れた手つきでラッピングをする。
「リボンは何色にしますか?」
そう聞かれて、拓真の顔が頭に浮かぶ。
拓真は…オレンジって感じがする。
暖かくて、優しく包み込んでくれる人。
「オレンジでお願いします」
「はい♩分かりました」
可愛い包装にオレンジ色のリボンが結ばれた。
こんなに素敵にしてもらえて満足だ。
「彼氏さんにですか?」
にっこり笑いながら尋ねてきた店員さん。
「まぁ、そんな感じです」
思わず濁したあたし。
これくらい、いいよね拓真。
あたしのぎこちない返事に店員さんは何か察したようだったけれど、
「そうですか。いいですね」
と言って、それ以上何も言わなかった。