縁はいなもの?味なもの?
🐝🐝
「そろそろ雛祭りだな」
・・・
「冬も終わったからね」
・・・
「日曜日は仕事か?」
「ホテルじゃないから
から休みだよ
ホテルにバイト行こうかな、又暇だし稼ごうかなぁ」
「お前仕事ばっかだな
なんで?
旅行とか興味無いの?お金貯めてなんに使うんだ?
預金通帳見てニヤニヤが趣味か?」
いつものように意地悪な言い方なのに・・・
何時もより口調が優しい
「んなわけないじゃん
バカか?
遊びたい気持ちはあるけど贅沢だと思っちゃう
武には言ってなかったけど言っちゃう
私の親毒親なんだ
その日のごはんもなくて、布団もあるにはあるけど夫婦喧嘩で破れたり水っぽかったり
毎日ダンボールの箱の中で寝てた
「風はいらないし、暖かかったし」
これを言えば武は馬鹿にして笑いの種にするだろう
でも武と又会うわけもない、馬鹿にするならすればいい
笑うなら腹抱えて笑え
ヤケクソだ
もう会わないなら話しても大丈夫と思った。
贅沢は敵だ
「少しのお金でも寄付に回せば助かる人もいる、遊びで使うのもいいけど旅費があったら支援に回したいと思ってしまう。」
加奈は車にしなだれ掛かり武はポケットに手を突っ込み空を仰いだ
夕暮れも春になれば少し遅い、しかし花冷えで
風も冷たくなってきた
「乗って」
「え?」
加奈は武を見る
「飯食いに行こう
腹減ってきたからな‼」
「え‼
待ってこのお肉はどうするの?」
加奈はしばらく考えた後ポンと閃いた
そうだ
リサちゃんちにあげてきていい。」
「ああ、勿論」
武はにこやかに頷く
武の了解をえて奏太のマンションに肉をかかえて急いだ
「まあ、加奈ちゃんいいのー」
奥さんの奈緒さんは嬉しそうに袋をのぞいている
「食べれなくなったので皆さんでどうぞ」
そう言うと加奈は踵をかえして
武の元へ帰っていった。
「お待たせ」
「海鮮でいい?」
ブルンとエンジンをかけながら武が聞いてきた。
「うん」
加奈は嬉しそうに頷いた
「加奈ちゃんどうしたんだろう❓
お肉大好きなはずよ
しかも霜降り サシも綺麗に入ってる、きっと高いお肉ね」
奈緒は車に乗り込む加奈を見て首を傾げる
「ワーイお肉だお肉だ」
リサは極上の牛肉を見てはしゃいでいた
「俺は、いいや
味噌汁と目玉焼きで
お前達、いっぱいたべな、後で加奈の彼に御礼言っておくよ」
「えーこんなたくさん?加奈ちゃん彼氏君いたのービックリね
彼氏君のお土産なの?
加奈ちゃんに?」
「うん色眼鏡って加奈ちゃん言ってたよ
色眼鏡ってなーにィ
メガネ掛けてなくても色眼鏡?」
リサは顔を傾げて奏汰の妻奈緒に聞いて来る
「へ?色眼鏡?」
「ああ、俺が加奈ちゃんの浮気相手と勘違いされてサ
いゃあ加奈ちゃんに彼氏がいたなんて俺もさっき知った」
「アハハそうなの?
奏汰がぁカレシw
笑ってしまうよねー
でも奏太はなんでたべないの?」
「今日は肉より卵が食いたいんだよ
そんな日もあるだろ
ってか暫く牛はいいかな」
肉を拒否る奏太を見て
またまた奈緒は首をかしげる。
奏太も焼肉が大好き・・・なはず
”子牛を見て食べれなくなった”
とは言えない奏太だった。
車は街頭の中長い橋を渡る
さっきの事だ、加奈が肉を持って武と離れたとき武は電話をかける。
「鷹宮おねがいがある」
鷹宮はレストラン経営して業績を伸ばしている外国で修行を重ね
一流シェフとなっていた
「おータケ、久しぶりだな、田中から聞いたぞ
焼肉でプロポーズするらしいな、ついに年貢の納め時か‼」
「いや、実は・・・」
さっきの出来事を鷹宮に話し作戦変更と協力を仰いだ
加奈にプロポーズを計画していること
鷹宮の店で決行したい事を告げた
「よし、まかせろ
悪友たるお前のたのみだ
いやぁめでたいめでたい、よし貸切にしておく、多分、いや絶対お高くつくぞ!
マイドアリーィ」
と鷹宮は喜んで協力してくれるらしい
「ねえどこ行くの」
もう1時間ドライブしている気がする
「俺の知り合いが経営しているレストランがあるんだ、さっき予約入れたから楽しみにしてろよ」
相変わらずの俺様口調に加奈も呟く
「別にコンビニ弁当
でも構わないのに」
━━━━━━・・・グウ
「あーぁ、腹減ったナ」
わざとなまったらしい
声をあげる。
武が何を考えているのか加奈にはサッパリ分からない武はそれから一言も話さない
「ま、いいけど
飯さえ食えれば」
無言のまま車は海沿いの洒落たレストランへと入って行った
明々と照明が着いているのに広い駐車場には1台の車も見当たらない
車が止まると加奈は
「ハーッ」
と背伸びをして首をコキコキ
疲れたと言わんばかりの行動に武は黙ったままだ
「ここ大丈夫?」
夕食時なのに車が1台も無い不安でつい口をついてでた
加奈の言葉に反応することなく武のザッザッザッザッと砂利を踏む足音が響く
加奈も武の後に続く
武がレストランのドアをあけると
クラッシックの愛の夢が流れてきた
黒いシャッに縦長のエプロンをしたスタッフさんが数名で出迎えて案内されたその席にはバラの花束が鎮座していて、予約席と書かれ銀色のプレートを薔薇の花が抱くように置いてあった。
「ウワッ」
加奈は演出の凄さに驚いてしまう
ドアの向こうで様子を伺っていた鷹宮に武はグッジョブ👍と合図を送る
スマートに案内するスタッフは背が高く礼儀良く椅子を引いてくれた
「え?あド、どうもどうも」
慣れない動作に
加奈は恐縮してしまった。
「ヘイいらっしゃーい、空いてるとこ、どーぞ、ねーちゃんビールかい、焼酎かい」
の声かけとは違う
静かに行動は機敏、姿勢よく無駄がない
バックには演歌じゃなくクラッシック
近くにレロレロな客もいない
ヨロヨロとネクタイを頭にまいてフラフラ歩く親父も居ない
戸惑ってしまう高級感。
窓の外にはボートやヨットが横付けされていて街の夜景もちらほらと灯りが灯りはじめる
「ようこそいらっしゃいませ」
ピッとした姿勢で静かに頭を下げられて食事が運ばれてきた
加奈は見たこともない芸術的なお料理で緊張してしまった。
カクカクと指先まで力が入ってしまう
武を見ると食べ慣れているのか問題なく食べ進めていた
デザートが運ばれてきて珈琲を口にした時
武がガバッと立つ
Σ(ㅇㅁㅇ;;)エッドどしたー?
加奈は「ヒイッ」
と驚いていると加奈の前に跪き
「カパッ」と小さなブルーの箱をあけた
これは前々から武が加奈の為に準備していたが中々決心がつかず
武の部屋の引き出しに眠っていた指輪💍だ。。
「加奈、僕と結婚してください
君には食事の心配は絶対させないし
ずっと俺がそばに居る
君を幸せにしたい」
加奈と武の席はライトアップされて
加奈はびっくり仰天
「え?は? はァ??」
驚きすぎて食べた料理はすぐ消化され胃袋がストンと軽くなる
「オカワリ」
と驚きのまま口ずさんでしまった
が武は気にする様子もない
「オカワリは後からナ」
武は加奈の左手薬指をガシッと掴み指輪を押し込んできた
「返事はオカワリじゃ無くてハイだろ」
加奈は緊張がピークを迎え誘導されるがまま
「ハイッ」
と答えてしまった
そんな何秒かで返事できる?考えている暇さえなかったっしー
と少し軽はずみだったと後悔してしまった
指先を伸ばし慣れない初めての指輪が今更ふるえるビビビビンブルブルブル
音楽は結婚行進曲へと変わる♬*°タタターン♪̊̈タタタターン
タタタターンタタタタ、タ、タ、ター
ンタタターン♬*°
加奈はキョロキョロ落ち着かない
しかし武は満足な顔をしていた
加奈が小さくつぶやいた
「なんだ
武ってば私の事
好きだったんじゃん」
と言うとチロリと武をみた
「・・・そうなるな︎՞՞」
武は何故か偉そうにしている
「ワタシ、武と結婚するの?」
と加奈は武に聞いてみた
「そうなるな・・ん?もうマリッジブルーか?早」
しかし加奈は心配そうな顔をみせる
「私に家族が作れるんだろうか?武は跡取りでしょう
後継者は必須よね」
加奈は家族を知らない
愛された経験が無い
父と母の離婚を願うような人間だ、と不安になる。
「親探してみるか?」
武の提案に首を振る
12歳の時から親は居ない結婚報告するなら施設の先生方だ
それに動物病院の先生奥さん、カー吉、蛇太郎に船乗りの大将や大将の仲間、たえさん家族、老人会の面々、ホテルのメンバー、今の会計事務所の仲間
結構いる事に加奈は驚いてしまう
「加奈は沢山の人に愛情受けて育ったんじゃないか」
武もニッコリほほえんでくる。
「ちゃんと家族
いるじゃないか 大丈夫
ホントの家族になる俺が側にいるだろ」
”あっ”
俺がいるだろ何時ぞや武が言った言葉
聞き覚えのある言葉だ
「ちゃんと意味ある?」
加奈は武をシッカリ見つめてきいた
「言葉どおりだ
加奈を大好きなんだ
だから安心しろ
多分出会った時から加奈は
特別だったんだ」
加奈にこんなに暖かい言葉をくれる武を信じてみたいと思った。
そうだった皆が加奈には暖かくしてくれた、初めて武は加奈の目が潤むのを見た
「これからは俺も加奈の家族になる、一緒に生きて行こう」
そんな嬉しい言葉に加奈は大泣きした😭
嬉しいと思った事はあるが泣くほど嬉しいと思った事は無い
はじめて、親以外の家族ができる
そして1年は瞬く間に過ぎて極寒な一月、二月を超え桜の蕾も膨らんだ3月の下旬、G,Wをまたず挙式を迎えた
「そうかー加奈ちゃんあのヤロウと結婚か」
梅さんもゲートボールのおじいちゃん達も孫を連れて出席してくれた
「まあ加奈ちゃん奏太から聞いてた通りねおめでとう」
妙さんも喜んでくれた
「加奈大丈夫?」
菜乃花もマネージャーも不審ながらも喜んだ
「加奈ちゃんおめでとう」
動物病院の先生もまゆこさんも出席してくれた
かー吉と蛇🐍太郎は
お留守番
「おー武、加奈」
漁師の大将メンバーも着慣れないスーツを頑張って着て来てくれた
ホテルの掃除のおばちゃんもおじちゃんも仲良くせいぞろい
勿論絵里香さんも赤ちゃんを抱いて社長と出席、相変わらず社長は絵里香さんの へこ持ちのようにやって来た
加奈と武はたくさんの人に見守られ挙式をあげた
加奈は薄いピンクの腰のくびれを強調する
ウエディングドレスに身を包み武はグレーの タキシードに胸にはカトレアの花を刺して2人は並んだ
新郎新婦入場口で髪を結い上げ黒スーツを着たスタッフが目を潤ませていた
「ほ、本日は、お、おめでとうございます」
涙声をかくすように頭をさげた
「ありがとうございます」
加奈も軽く頭を下げた横で武が彼女を見て武は何もいわず深く頭を下げた
2人が拍手に包まれ足を踏み出すと
「・・・加奈をよろしくお願いします」
蚊の鳴くような小さな声に武は頷いていた
そんな武を加奈が不思議な顔で見ると武は加奈の腰をグイと引き寄せ足をすすめた
結婚式場は武がみつけてきた、どうしてもこの式場ですると言い張った
「もっと小さい所で良いのに」
それに結婚披露宴をするなら加奈は自分が勤めていたホテルが良かった、しかし武は譲らない
「会社関係、友人関係、それに加奈のご近所関係いるんだから
俺に恥をかかせるナ」
訳分からない理屈をこねまわし武の一言でここに決まった。
加奈の務めていたホテルもかなりの規模だ、どうしてそうなるか加奈は疑問だったが
武がそこまでこだわるならとそれ以上は突っ込ま無かった。
武の加奈に言えない事情とは・・・
興信所に依頼して加奈の両親を探した
父親は病気を患い既に他界していたが
母親は結婚式場のスタッフとして働いていた
「なんで加奈を捨てたんですか?
彼女は食事も出来ないほど苦しんでいたんですよ、12歳の子が1人で生きていくってどんなに大変か分からなかったんですか💢」
武はつい怒鳴りつけてしまった
母親は泣きながら
あの日、家をでたあと
の事を話してくれた。
事故にあって2ヶ月入院
していたらしい
連絡しょうにも電話は無いし、動けない 親も既に居ない状態
ただ退院を待つしか無かった
怪我が治って自宅に帰ったらすでに加奈は施設に引き取られたと聞いた
どうしょうもなかった。
施設にそっと様子を見に行ったら、凄く健康そうな体つきになって明るく笑う加奈がいた
加奈の笑顔なんて何年も見たことがなかった。
このまま自分が引き取るより施設にいた方が幸せだと思ってしまったそうだ
加奈の為にと預金通帳と印鑑を武にわたしてきたが
「これは加奈は受け取らないと思います」
と武は返した
「・・・いまさらよねごめんなさい」
あやまる母親を見て武も胸が詰まった
「じゃあ加奈を飾るブーケを負担して貰えますか」
武の提案に母親は驚くように目をみひらいて
大粒の涙を流し何度も頷いてありがとうといった。
母親も加奈の為頑張っていたんだ
今日の加奈はとても綺麗で、加奈は知らない事だが母親から贈られたブーケもカトレアや沢山の花々で彩られ加奈の手に収まっていた
加奈が会いたいと言えば会わせてあげたい
少しづつ時間をかけて
加奈の心が解けてきた時、全てを話そうと思う。加奈は捨てられたんじゃないって事を知らせてあげたい
加奈は愛されていて上手くいかない時代に家族と共に踏み潰されただけなんだ
加奈と武の人生は始まったばかり、長い長い人生のスタートラインにたった
赤い糸で繋がった縁は何度ももつれながら解けながら神様が決めた相手のもとへ
命の華がどう足掻こうと繋がった縁は結ばれてしまう
2人に幸あれと呟きながら
💐🍃💐゜*:.。.:*💐🍃💐゜*:.。.:*💐🍃💐゜*:.
神が合わされた2人を人が引き離してはならない
そんな神父様の呟きを聞きながらたった一人の母親は
式場の袖で加奈の成長を赤い目を潤ませながら涙を拭って聞いていた。
[完]
読んで下さった皆様ありがとうございます。これからもがんばります
インフルエンザなどウイルスに気をつけられて元気にお過ごしください
又新作出ましたら宜しくお願いします。


