いきなりの婚約破棄からはじまる幸せ確定IFルート
だって、私は別に彼を縛るつもりなんてなかった。もし、婚約を破棄したいくらい嫌っていたのだとしたら、解消したいと言ってくれれば、それで良かったのに。
ここからどう言えばわからずに俯いた私に、ニコラス様は心配そうな様子で声をかけてくれた。
「……良かったら、モートン伯爵邸まで、僕がお送りしてよろしいですか?」
「いえ! それは、あの……それは」
一瞬だけ……男性と二人きりで馬車には乗れないからと、断りかけてしまった。けれど、私にはもう将来を決められた婚約者は居ない。
つまり、別に未婚者のブライアント公爵と馬車に乗ったところで、誰にも非難されるいわれなかった。
「ええ。僕には、わかっておりますよ。ですが、困っているモートン伯爵令嬢を、ここで放っておくことは出来ません。お願いですから、送らせてください」
有能だと名の知られた彼は、言葉を失った私が何を言いかけて、何を言わなかったのかお見通しのようだ。
「……ありがとうございます」
確かに迎えの馬車を呼ばねばと悩んでいた私は、ニコラス様からの有り難い申し出に頷いた。
ここからどう言えばわからずに俯いた私に、ニコラス様は心配そうな様子で声をかけてくれた。
「……良かったら、モートン伯爵邸まで、僕がお送りしてよろしいですか?」
「いえ! それは、あの……それは」
一瞬だけ……男性と二人きりで馬車には乗れないからと、断りかけてしまった。けれど、私にはもう将来を決められた婚約者は居ない。
つまり、別に未婚者のブライアント公爵と馬車に乗ったところで、誰にも非難されるいわれなかった。
「ええ。僕には、わかっておりますよ。ですが、困っているモートン伯爵令嬢を、ここで放っておくことは出来ません。お願いですから、送らせてください」
有能だと名の知られた彼は、言葉を失った私が何を言いかけて、何を言わなかったのかお見通しのようだ。
「……ありがとうございます」
確かに迎えの馬車を呼ばねばと悩んでいた私は、ニコラス様からの有り難い申し出に頷いた。