身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
「お疑いになるなら、どうか私をノアム大聖堂で使ってみてください。ルルカやマルナが若いという理由で指名されたなら、私にだってできます。それに、孤児院の子どもたちはふたりが来るのを毎日楽しみにしていますし、お姉さまたちは教会にいなくては困りごともたくさんあるでしょう。一番の適任は私だと思います」
「しかし、エリシア……」
エルダは渋った。彼女の中で、エリシアを行かせる選択肢はまったくなかったのだろう。
「修道女でないといけませんか?」
エリシアは視線をサイモンへ移した。柔らかな金髪に青い瞳……サイモンは初めて出会ったときと変わらず、涼やかで落ち着いた佇まいだった。どんな話にも耳を傾けてくれる。そんな安心感を与えてくれる彼に、エリシアはふたたび、尋ねる。
「私を連れていってもらうことはできますか? 必ずお役に立ちます」
サイモンはしばらく考え込んでいたが、エルダが口を開こうとするのを止めて、沈黙を破った。
「修道女見習いにはなっていないようですね?」
あくまでも、修道女またはそれに準ずる立場の人間を連れていきたいのだろう。もしかしたら、断られるかもしれない。緊張で渇き始める唇をなめ、エリシアは声を張り上げた。
「ようやく決心がつきまして、エルダ様にご相談しようと思っていたところです」
サイモンはエリシアの本心を探るような目をして沈黙した。それはほんの少しの時間だったが、永遠に続くもののような気がして、エリシアがごくんと唾を飲み込んだとき、彼はそっとうなずく。
「わかりました。エリシア・オルティス。あなたの力を借りましょう。この国難を無事に乗り越えたあかつきには、修道女見習いとして正式にシムア教会での修行を認めます」
「しかし、エリシア……」
エルダは渋った。彼女の中で、エリシアを行かせる選択肢はまったくなかったのだろう。
「修道女でないといけませんか?」
エリシアは視線をサイモンへ移した。柔らかな金髪に青い瞳……サイモンは初めて出会ったときと変わらず、涼やかで落ち着いた佇まいだった。どんな話にも耳を傾けてくれる。そんな安心感を与えてくれる彼に、エリシアはふたたび、尋ねる。
「私を連れていってもらうことはできますか? 必ずお役に立ちます」
サイモンはしばらく考え込んでいたが、エルダが口を開こうとするのを止めて、沈黙を破った。
「修道女見習いにはなっていないようですね?」
あくまでも、修道女またはそれに準ずる立場の人間を連れていきたいのだろう。もしかしたら、断られるかもしれない。緊張で渇き始める唇をなめ、エリシアは声を張り上げた。
「ようやく決心がつきまして、エルダ様にご相談しようと思っていたところです」
サイモンはエリシアの本心を探るような目をして沈黙した。それはほんの少しの時間だったが、永遠に続くもののような気がして、エリシアがごくんと唾を飲み込んだとき、彼はそっとうなずく。
「わかりました。エリシア・オルティス。あなたの力を借りましょう。この国難を無事に乗り越えたあかつきには、修道女見習いとして正式にシムア教会での修行を認めます」