身代わり聖女になったら、なぜか王太子に溺愛されてます!?
「もし……もし、再燃したらどうなりますか……?」
のどをつまらせながら、エリシアは尋ねた。
「なんだ、自信がないのか。聖女と偽ったわりには度胸がないのだな。無論、ルイがふたたび還炎熱を患えば、おまえは投獄だ。一生、牢から出られると思うな」
(牢に……。どんなに過酷だろう。だけど、ガレスと結婚するよりは……)
エリシアは迷った。ガレスとの結婚では決して幸せにはなれないと思ったから逃げてきた。罪を認め、いっそ、牢に入ることを志願したらどうだろう。
こちらを冷たく見つめるカイゼルを絶望しながら見上げた。彼は冷酷だが、ただひたすらに正しくもある。彼は何も間違っていないのだから、エリシアは非を認めるしかない。
「あの……」
エリシアが口を開きかけたとき、カイゼルはなぜか、頭を左右に振った。
(どうしたのかしら……)
困惑していると、カイゼルがいきなりひざを折る。
「殿下っ?」
「クッ……」
カイゼルはひたいに手のひらを押し付けると、ふたたび何かを振り払おうとするかのように頭を振るが、うまく振り払えないのか、そのまま床の上に崩れ落ちた。
「殿下っ、大丈夫ですかっ?」
エリシアはあわててカイゼルに駆け寄ると、肩に触れる。
(身体が熱い……もしかして……)
エリシアは辺りを見回して叫んだ。
「誰かっ! 誰かいませんかっ? 誰かーっ」
のどをつまらせながら、エリシアは尋ねた。
「なんだ、自信がないのか。聖女と偽ったわりには度胸がないのだな。無論、ルイがふたたび還炎熱を患えば、おまえは投獄だ。一生、牢から出られると思うな」
(牢に……。どんなに過酷だろう。だけど、ガレスと結婚するよりは……)
エリシアは迷った。ガレスとの結婚では決して幸せにはなれないと思ったから逃げてきた。罪を認め、いっそ、牢に入ることを志願したらどうだろう。
こちらを冷たく見つめるカイゼルを絶望しながら見上げた。彼は冷酷だが、ただひたすらに正しくもある。彼は何も間違っていないのだから、エリシアは非を認めるしかない。
「あの……」
エリシアが口を開きかけたとき、カイゼルはなぜか、頭を左右に振った。
(どうしたのかしら……)
困惑していると、カイゼルがいきなりひざを折る。
「殿下っ?」
「クッ……」
カイゼルはひたいに手のひらを押し付けると、ふたたび何かを振り払おうとするかのように頭を振るが、うまく振り払えないのか、そのまま床の上に崩れ落ちた。
「殿下っ、大丈夫ですかっ?」
エリシアはあわててカイゼルに駆け寄ると、肩に触れる。
(身体が熱い……もしかして……)
エリシアは辺りを見回して叫んだ。
「誰かっ! 誰かいませんかっ? 誰かーっ」