春よ、瞬け。

「本当、最悪!CLAとか訳わかんない!あんなの出来る人がやれば良くない?!」

そう言ったのは深見さん。
相当、お怒りの様子。

「本当ね、あんなの訳わかんないよね。」
「マニュアル分厚すぎて読む気になれないし、練習モード開いてみたけど、訳わかんないし。今日中に覚えろとかマジ無理!あの鬼!」

わたしはそんな会話を聞き流しながら、"あんぱん"のボタンを押し、取り出し口に落ちたあんぱんを取り出した。

そして振り返ると、「おう!風早さんじゃん!」と声を掛けられた。

「滝さん。」
「久しぶり!」

声を掛けてくれたのは、住余HDサイクル担当で冴くんと同期の滝さんだった。

滝さんは同じ住余HDではあるが、サイクルは特殊な部門な為、事務所が違うのだ。

「風早さんが休憩取るなんて珍しいね!」
「たまには休憩を取らないと、主任に怒られちゃうんで。」

わたしがそう言うと、滝さんはわたしの顔色を窺い、「あれ?何か元気ない?」と訊いた。

「あ、実は、、、今朝、主任を怒らせてしまって、、、」
「え?風早さんが?東郷に?」
「HFの人の仕事の手伝いをして、怒られちゃいました。」

わたしがそう言うと、滝さんはハハッと笑い「風早さんらしいなぁ。」と言うと「東郷は、怒ったんじゃなくて、風早さんを心配して言ったんだと思うよ?」と言った。

「え、心配?」
「あー、実はね、、、この話、秘密にしてくれる?」

滝さんは突然声のボリュームを小さくして、そう言った。

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