きみはあたしのライラック
……このひとが、みなかみさま。



男性にも女性にも見える
中性的な面立ち、体型の、とても綺麗なひとだ。


一番に目を引いたのは、その髪の色。


腰までの長さの少し癖のある髪は
見事に白一色。


深い蒼色の瞳との組み合わせは
青空を連想させる。



「はじめまして。すず。
驚かせてすまないね。」



あまりの美しさに
言葉も忘れて見入ってしまっていたあたしに

見た目と同様に
判別のつかない声で、そう言って
優しく笑いかける みなかみさま。



「この子から聞いているだろうけど
僕は、みなかみ。この子の親のようなものだよ。」

「…は、はじめまして。」

「この子を追って、ここまで来たんだね。
探すのも、来るのも、大変だったろうに。」



近付いてきたみなかみさまは
あたしの足を見てから
労(いたわ)るようにそう言って、頭を撫でてくれた。



ちりん



その拍子に、耳に響いた鈴の音。



………この、鈴の音…



音の発信源は
みなかみさまがつけていた腕輪だ。


その装飾の鈴が
澄んだ音を響かせていた。


思わず、じっと、みなかみさまを見つめれば
みなかみさまは応えるように
また、優しく微笑む。



「さて、話を戻そうか。」



あたしから、ひもろぎさんへと向き直り
みなかみさまは口を開く。



「りん。」



……りん?



愛称なのかなんなのか
分からないけど、ひもろぎさんが反応したから
ひもろぎさんを指しているのは確かなんだろう。


呼び掛けられたひもろぎさんは
身構えるように、少し体を強張らせている。

その姿は、まるで
親に叱られるのを怖がる子供のようだった。


そんな、ひもろぎさんに
みなかみさまは、優しく
たしなめるように言葉を落とす。
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