君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜
そんな彼の優しさを無理矢理断ち切ったのは私の方で…
まるで恋人のような家族のような不思議な関係に終止符を打つ。
『私、彼氏が出来たんです。だからもう涼さんは必要ない。彼に誤解されたくないので、今後は涼さんに電話をするのもメールをするのも辞めにします。』
そう言って有りもしない作り話で、彼の優しさを無碍にしてしまった。
心がチクチクと痛んだ…
本当は大好きだったのに…たとえ遠く離れていても私の1番は彼だった。だけど、私は彼にとって重荷でしかない…
少しでも好きだと伝えていたら、2人の関係は変わっていただろうか…今でもふとした時に後悔が溢れ出す。
『そっか…分かった。俺は君さえ元気に生きていてくれたら、それだけでいい。』
最後の電話で涼さんがくれた言葉を今でも忘れはしない。
なぜ、そんな心にも無い事をしたのか…
それはその日から数週間前に起きた出来事のせいだと言わざる負えない。
あの日は確か…ひどく暑い夏の日で、私は実家から専門学校に通い、視覚障害者になる心構えや覚悟をひしひしと感じ始めていた頃だった。
世の中は夏休みシーズンで、もしかしたら涼さんが約束通り休暇を取って帰国するかもしれないと、淡い期待を抱いていた頃…
学校から帰ると、見知らぬ女性が家にいて私の帰りを待っていた。
母には学校の知り合いだと名乗ったその女性は、私には藤堂涼の婚約者だと名乗った。
『涼は人道支援の一環であなたに要らぬお節介をしているだけなの。多分あなたを助けた責任を今も感じているんじゃないかしら?
どうかそろそろ彼を解放してあげて下さらない?』
そう言われ、ズキンと胸が痛んだ。
ずっと心の奥底で思っていた事を、何も知らない赤の他人にほじくり返された気分だった。
『涼さんと私では住む世界が違う事、ちゃんと分かっています。彼を縛り付けているつもりはありません。』
その時言える精一杯の強がりで、私は下唇を噛んだ。
『じゃあ、あなたから彼との繋がりを切ってくださらない?涼は優しいから、ずっと懐いてくる野良猫を見捨てる事が出来ないんだと思うの。』
その女性はそう言って辛辣に笑った。
心はとても痛かったけれど、私から彼にしてあげられる事は多くはなくて…ただ、出来るだけ自然にさよならしたいと、考え抜いた答えが『彼氏が出来た』という嘘だった。
涼さんはどう思っただろう?
あれから5年。
私は23歳になった。彼は28歳だから、きっとあの時の彼女と結婚しているんだろうな。
まるで恋人のような家族のような不思議な関係に終止符を打つ。
『私、彼氏が出来たんです。だからもう涼さんは必要ない。彼に誤解されたくないので、今後は涼さんに電話をするのもメールをするのも辞めにします。』
そう言って有りもしない作り話で、彼の優しさを無碍にしてしまった。
心がチクチクと痛んだ…
本当は大好きだったのに…たとえ遠く離れていても私の1番は彼だった。だけど、私は彼にとって重荷でしかない…
少しでも好きだと伝えていたら、2人の関係は変わっていただろうか…今でもふとした時に後悔が溢れ出す。
『そっか…分かった。俺は君さえ元気に生きていてくれたら、それだけでいい。』
最後の電話で涼さんがくれた言葉を今でも忘れはしない。
なぜ、そんな心にも無い事をしたのか…
それはその日から数週間前に起きた出来事のせいだと言わざる負えない。
あの日は確か…ひどく暑い夏の日で、私は実家から専門学校に通い、視覚障害者になる心構えや覚悟をひしひしと感じ始めていた頃だった。
世の中は夏休みシーズンで、もしかしたら涼さんが約束通り休暇を取って帰国するかもしれないと、淡い期待を抱いていた頃…
学校から帰ると、見知らぬ女性が家にいて私の帰りを待っていた。
母には学校の知り合いだと名乗ったその女性は、私には藤堂涼の婚約者だと名乗った。
『涼は人道支援の一環であなたに要らぬお節介をしているだけなの。多分あなたを助けた責任を今も感じているんじゃないかしら?
どうかそろそろ彼を解放してあげて下さらない?』
そう言われ、ズキンと胸が痛んだ。
ずっと心の奥底で思っていた事を、何も知らない赤の他人にほじくり返された気分だった。
『涼さんと私では住む世界が違う事、ちゃんと分かっています。彼を縛り付けているつもりはありません。』
その時言える精一杯の強がりで、私は下唇を噛んだ。
『じゃあ、あなたから彼との繋がりを切ってくださらない?涼は優しいから、ずっと懐いてくる野良猫を見捨てる事が出来ないんだと思うの。』
その女性はそう言って辛辣に笑った。
心はとても痛かったけれど、私から彼にしてあげられる事は多くはなくて…ただ、出来るだけ自然にさよならしたいと、考え抜いた答えが『彼氏が出来た』という嘘だった。
涼さんはどう思っただろう?
あれから5年。
私は23歳になった。彼は28歳だから、きっとあの時の彼女と結婚しているんだろうな。