ダーリンと呼ばせて~嘘からはじめる三カ月の恋人~
「今の電話、COジャパン?」

「はい」

「ちょっと進捗知りたいから資料持ってあっち」

 あっち、と指をさされたのはミーティングルーム。

 私はデスクに散らばる書類やファイルを掻き集めてすぐに駆け付けた。オフィス横にはこじんまりした個室がふたつ並んでいる。そのひとつの部屋に柳瀬部長が入って行ったので慌てて後を追う。


「ごめんね、今どんな状況?」

「商品のデザインとパターン候補が上がってきました。これから実際の商品化に向けて複数回のサンプル作成を行うとのことです。仕様が確定次第ご連絡をいただくようお伝えしました。私の方ではその連絡が入ればすぐに対応できるように必要な資材の取り寄せと生産工場の候補をいくつかピックアップして交渉の準備を進めておこうかと」

「それさ、生産工場の候補に一社追加してほしくて。中国生産をジャパンクオリティで提供してるっていう噂。そこの調査を安積が詰めてる。あとでメールさせるから確認しといて」

「わかりました」

「社名は……」

 言われる社名を手書きでメモして頷く。

「進捗状況を俺にもCCで転送して?」

「了解しました」

「よろしく」

 ファイルなどを集めて抱えた時、フト視線に気づき顔をそちらに向けたらバチッとイケメンと目が合う。ガン見状態は流石に照れて目が合ったもののそろ~っと視線を泳がせた。

「えっとぉ……では私はこれ……」

「あの卵サンドはだれに習ったの?」

(え)
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